Days on the Rove

好事家風情の日常。読書と散歩と少々の酒。

Book Review 2024/03

2024年03月は11冊。 本棚登録は57冊。購入は11冊/¥14563。

ちょっと高めの本を買いすぎたかな。

 

pannpanyaさんの随筆とエッセイ風漫画に惹かれて購入。
今村空車さんの「芝生の習作」とわかしょ文庫さんの「実朝試論」がよかった。

こんなところでpanpanyaさんに出会えるなんて!
友田とんさんは、「「百年の孤独を」代わりに読む」というZINE(リトルプレス)を作られた方。一筋縄では測れない方だな、と。
ほかの寄稿者も面白い方ばかり。こういうスタイルでリトルプレスってできるのだなと。

 

新版画ということなので購入。ノエル・ヌエットや石渡江逸の作品をしっかりとみられたのが眼福。感謝。
文中に山岸主計について言及されていたのものありがたい。吉田博の工房にいたのね。
巻末に、ノエル・ヌエットの著作権継承者が不明と書かれていた。これだと、ノエル・ヌエットの文章を読める機会はないかもしれない。

新版画の画集としても、新版画を巡る物語を知る上でもいい書籍だろ思う。
山岸主計やノエル・ヌエットのアレコレを知れただけでも価値がある。

 

著者 :
本の雑誌社
発売日 : 2024-03-13
特集「マジックリアリズムに酔い痴れろ!」百年の孤独の文庫化に合わせた特集。
どうしてもマジックリアリズムは年米のイメージが強いが(大江健三郎のそれは除く)、各国にあるものなんだな。ピンチョンやエリクソンもその範疇とはおもわなんだ。

本当に百年の孤独が文庫化されるのかという心配はあるのだが、それに合わせた特集号。
こういうマジックリアリスムとかを一緒に語れる人が周りにいないので、こういう本が代償行為であるなと。

 

本好きあるあるで、サブカルあるあるなんだな。なんだか図書委員会の日常を思いだした。

クダラヌといえばクダラヌのだが、それでも読書好きあるあるの世界観。図書委員風味もうれしいよね。

 

「ノーツ・アンド・クエリーズと南方熊楠」という論考が読んでいていろいろな示唆に富んでいて参考になった。

三号が出る前に読むことができてよかった。地元の書店では入手困難なのでね。(こういう本はアマゾンで買うべきではないだろうしね)

 

林丈二さんの展示で販売されたZINE。それをようやく通販で入手。うれしい。
巻頭の記憶の地図の話が面白い。ああいう、実際の風景と地図がリンクする瞬間は二度は味わえないものなのでね。
それ以外にも様々に歩いた地図。やはり林丈二さんはすんごい人なんだな。
冊子、リソグラフ印刷によるものだが、おもっていた以上に精細で驚いた。学生時代に学校にあったものとはちょっと違うのかねぇ。

ようやく入手できた一冊。街歩き系で私淑する林丈二さんのフォールドワークのアレコレを記載してある書籍。無人島に持っていく10冊に必ず加えたい。

 

星羊社刊行の展示図録。暗渠マニアックスの展示のもの。

 

暗渠マニアックスの展示関連書籍。

 

暗渠マニアックスの展示関連書籍。地域系の路上観察本は本当に面白い。

 

タイトルではわからぬが、滝沢馬琴の日記を読み解いていく(生活とその息子嫁の路の)話であった。同じ作者の小説・曲亭馬琴遺稿の解題ともいえる。馬琴の日記から作者が読み解いていくと、江戸期の生活の様子が立ち上ってくる様子が素晴らしい。それにしても端正な文章よね、森田誠吾。

個人的に気になっている作家の本。広告図案の精美堂の元社長にして、直木賞作家。
滝沢馬琴日記を精読することでみえてくる馬琴と息子嫁の心の繋がりを解き明かしていくような本。
端正な文章はいつもながらのこと。感嘆をつくばかり。

 

先週末、友人とライトノベル事始の話の中で思いだした小説をその場でAmazonに注文したもの。改めて読んでみて、これ全話読んでいるのか疑惑。坂田公時と源頼光の出会いのシーンはよく覚えているのだが。
自分にとっては日本の歴史で幻想文学(これ自体は伝奇小説だし、幻想文学というよりもファンタジーよね)が可能なんだと知ったのが、この作品だったように覚えている。
今になって歌舞伎や浮世絵を知ると、登場人物のアレコレがちょっと面白いな。

当時、これの物語の構造に本当に興奮した。(高丘親王航海記をしるのはもう少し後のこと)
因縁の流転の果てにある物語なんだろうな。

今月の積読。(なおInstagramの更新をやめたので、Twitterから直に拾うことになる)

 

 

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