展覧会名:横浜の海七面相展 幕末・明治編
場所:横浜開港資料館
会期:4/21〜7/16
入場料:¥200
展覧会名:横浜の海七面相展 大正・昭和編
場所:横浜都市発展記念館
会期:4/21〜7/16
入場料:¥300
*両館の特別共通チケット¥400の存在を知らず、別々に購入。失敗したな(笑
(別購入するなら、割引を使う方法もあったのに…つくづく残念)
見学日:7/8
図録:あり¥800。購入(特別価格で¥720)
港湾都市・横浜の変遷を追った企画展。
未見の資料・事象等があり興味深かった。
(勘違いして見学の順番を大正・昭和編からという痛恨のミスを犯したけれどw)
以下、メモから抜粋。
幕末・明治編から
- 江戸名所図会の杉田の海鼠(「いりこ」といったらしい)。既知のことではあったが、豊かな海だったのだなとシミジミ。って、今でも本牧漁港で海鼠取ってなかったかな!?
- 眞葛焼のカップ&ソーサー!基本的に眞葛焼は壺しかないのかと思っていたが…。なかなかの美形。
- 富岡海荘絵巻 横浜から三浦までの海岸線を描いたもの(海から見た姿)富岡に三条実美の別荘があったのか…。
- 迅速地図が多数!なかでも神奈川砲台!ここはちゃんと訪れないとなぁ…。見学できる場所も増えたことだし…
- 幕末の東京湾の海図(海岸要地之図)。海岸線がほぼ正確に描かれているのに対し、陸地の表現が気になった。あの描き方は海から見た陸地の形が把握しやすいという意味では意味があったのだろうか?その部分だけは地図ではなくイラストみたいな雰囲気になる。(たしか伊能忠敬も同じような描き方)
- 金沢の千代本という料亭。磯子や杉田にも海に面した料亭は当時あったようだが、現存するのは千代本ぐらいかな。一度は行ってみたいものだねぇ…
- 伊勢山に明治天皇の離宮!正確な場所や、建築様式などを知りたいな。
大正・昭和編から
- 京浜運河は埋め立て地の先外周に防波堤を築いて運河にしたもの。現在はその防波堤の先も埋め立てられたわけで…。ちょっと驚き。
- 横浜の都市発展に深く寄与した浅野総一郎。って銅像はどこだ?(調べたら浅野学園内みたいですね)
- 根岸湾埋め立ての写真。昭和34年のもの。街と埋め立て地の乖離がすごい、というかひどすぎる。
- 磯子周辺では海苔の養殖が行われていた。海苔ひびがある姿なんて今では想像できないな。
- 東京湾を航海する客船での撮影禁止地域を示すバンフレット!横須賀周辺などは軍事・要塞地帯なので撮影禁止。この地域の写真や地図に制約が加えられたのは知っていたが、こういう形でそれが記録されるとはねぇ…
- 海軍の観艦式、横浜では昭和初期まで九回(多い方らしい)
- ベトナム戦争中の戦車送りだし阻止ピケ@ノースピア村雨橋。飛鳥田市長の写る写真!(いろんな意味でこの写真を展示する気になったものだなあ…と感心)
- 昔の柴漁港が外洋に張り出した漁港だったとは!地図・地形マニアとしては知らなかった事実。(勉強になるなあ)
- 三崎東京間の貨客船・三浦共立運輸。これもしらなかった。
- 富津〜横浜を結んだ、明治丸。最近良く話題になる。北林透馬の小説にも登場する。(一度読まなくては)
- 子安の漁民も打瀬船(一種の帆掛け船)を利用。浦安〜千葉方面だけではなかったのか!この横浜の漁業についてはチェックの必要あり。
- 山下公園は市の復興試案にあった海岸遊歩道計画、緑地帯構想の一部だったらしい。牧彦七の試案なのだろうか。(って、横浜の都市計画ってその頃からあったのだよね。あらためて実感)それにしても海岸遊歩道・緑地帯がある横浜の姿を見てみたかった…
- 鶴見線(というか当時は鶴見臨港鉄道か)の海水浴前駅(!)名前は知っていたけれど、実際の様子の写真を見るとかなりの奇観。扇島あたりの工場群(煙突からは煙が)と芋を洗うような海水浴客…。当時は公害になるほどの生産力はなかったのかな?
最後に単なる横浜(の港湾)の都市発展にとどまらず。これからの横浜の海についても取り上げたのが秀逸。
海の浄化計画と新しい臨海地区の整備構想に触れていた。
全体として好企画だったと思う。