過去にあった鎌倉の温泉(鉱泉)旅館についての覚書
範囲は旧鎌倉郡ではなく、現在の鎌倉市域とする。
現在の鎌倉市内で法的に登録されている鉱泉・温泉に関してはこちらの記事が詳しい。
1.山崎園
鎌倉市山崎小字「湯の本」。天神山西すそ付近。
温泉旅館は明治時代から戦前まで。「マッチを近づけると燃える水がある」という話から。(ラジウム?)
火傷や神経痛に効能。裏山の天神山に四国八十八カ所の石仏をつくり、参詣で賑わった。
「頼朝の隠し湯」とも。円覚寺でも利用?(時期理由不明)。「雁番屋」という地名も温泉に関係ある?(雁が鉱泉の水で傷を癒していた云々から…)
(出典資料、かまくら子ども風土記第9版)
「深」の文字の右上に温泉の地図記号と建物の形が見えます。
現在の三菱電機工場と山の際の道沿いということになりそうです。
当時の様子を想像するのは難しいです…ね。
2.陣出園・神明温泉
国鉄大船工場・州崎古戦場付近。ラジウム鉱泉で、陣出園、神明温泉という温泉旅館。 (出典資料、かまくら子ども風土記第9版)
山裾の小さな谷間に温泉記号発見。現在の地図と照らし合わせると、深沢幼稚園の麓あたりになりそうです。
陣出は小字から、州崎古戦場がらみの小字かな。 神明はちかくに神明社があった故ですかね?
(2014/05/30追記)
洲崎陣出の杜の会という深沢地区まちづくりの会が、当地のフィールドワークを行い、陣出温泉の井戸を確認したそうです。
これは!ちょっと見てみたいですねぇ。情報ありがとうございました。
おそらくふたつとも鉱泉なんでしょうね、東京南部から横浜周辺にも見られる黒湯・赤湯系の。
参考資料(大いなる神奈川の地盤 技報堂出版より抜粋)
鎌倉にもあるのだな、という印象です。当時の資料(図画、文献など)が見つかれば、また紹介していこうと考えています。
※そういえば亀ケ谷切通下に最近まで香風園がありましたね。
その2に続く