Days on the Rove

好事家風情の日常。読書と散歩と少々の酒。

[企画展感想]04/13 港を巡る二都物語 江戸東京と横浜@横浜都市発展記念館

名称:港を巡る二都物語 江戸東京と横浜
場所:横浜都市発展記念館
会期:1/25〜4/13
入場料:¥300(常設、ユーラシア込)
見学日:4/13(またしても最終日w)
図録:あり。¥1000。未購入。(躊躇している)

幕末、横浜が開港した背景には外国に都市を開くことを望まない江戸にかわり、横浜が江戸の外港として選ばれたという事情があった。しかし、明治時代になると東京は商業都市をめざして港湾の建設を計画。横浜はこれに対抗して本格的な港を整備する。昭和期に入り商工業が発展してきた東京は、関東大震災をきっかけに築港を進め、横浜の猛反対にもかかわらずついに開港した。

 横浜にとって港はそのアイデンティティと言うべき存在だが、東京が港とどう関わるか、ということは横浜につねに大きな影響を及ぼしてきた。本展では、港をめぐる江戸・東京と横浜の動きを横浜開港(1859年)から東京開港(1941年)までたどりながら、ふたつの港の歴史的風景を紹介する。

健康診断後の空き時間を利用して見学。

横浜検定を勉強していると横浜と東京の微妙な関係が見え隠れする。
それを再確認するにはいい機会であった。

以下メモ、思いだしたことなど。

ブランドンの横浜築港計画図。象の鼻から山下町側に大きく張り出した象の鼻状の港。
これが実際に行われていたら…横浜港の発展はなかったに違いない。

江戸五品回送令の書状(実物)。検定を勉強していると、こういう実物を見るだけで感動するw

東京港が開港できなかった物理的な理由。遠浅の海岸であるがゆえ。(だからこそ、芝浜や品川心中の世界が成り立つわけだ)

東京の築港計画図。基本は今と変わらない。隅田川の水をどのように放出するか。お台場を埋立の起点として使うといったあたり。

実際に東京開港に至る経緯。横浜の戦災復興にかかる財政問題。
とはいえ反対運動の凄まじいこと。ビラ、新聞広告、市電の車体にアジ文(!)など。

東京開港当時の少年向け紀行漫画。横浜と東京の対立の話からの、京浜港としてともに発展みたいな内容。
小説家・長谷川時雨の「東京開港」。横浜に対しシニカル(ぜひ読まなくては)

井上安治晩年(というか小林端渓時代)の作品「東京市区改正地図」。
井上安治の(いわゆる井上安治の)作品をみているといかにも凡庸。(杉浦日向子さんが「YASUJI東京」で言っていたのは、このことかと納得)

前川千帆の「新東京百景工場地帯本所」。
こんな作品まで展示するのか!(企画展の意味を超えて)眼福。

都市発展記念館のミュージアムショップでは何も買わず、神奈川県立歴史博物館のショップで、いろいろお買い物(笑)。

健康診断の結果も相まって(いろいろな意味で一安心)、いい1日でした。

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