Days on the Rove

好事家風情の日常。読書と散歩と少々の酒。

リハビリがてらのミュージアム巡り

せっかくのお盆休み(しかも今年は過去最長!まあ、代休とかいろいろ込みなんですがw)なのに、猛暑による夏バテでほとんど動けぬ日々。ようやく落ち着いてきたので、リハビリがてら博物館・美術館巡りを敢行。

名称:浮世絵師 歌川国芳展
場所:そごう美術館
会期:08.01〜08.30(後期8.17〜)
入場料:¥1000
見学日:08.15
図録:あり ¥2300+消費税 未購入

猫だけなら見にいかなかったであろう幕末の浮世絵師。横浜浮世絵があるということで、出掛けたようなもの。

まずは武者絵。
水滸伝は名前を見てもピンと来ない。それは当然で読んだことがない。
やはりこういうときは素養のあるなしが物を言う。少々参る。

源頼朝の富士牧狩り、川中島の武田勝頼(川中島って参戦してたのか?)、真田昌幸の初陣、真田与一と俣野吾郎など。ここいらは名前がわかるだけ感情移入しやすい(笑)

妖怪もの。
酒呑童子や頼光関連のもの。
有名な「相馬の古内裏」。作品解説でようやく浮世絵全体の意味がわかる。骨格の描写の素晴らしさよ。(これの元になった作品ってなんだったかな?)

「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」。馬琴の鎮西弓張月のひとコマ。これも作品解説がキモだった。為朝と讃岐院=崇徳上皇(悲劇の人!)そして琉球王朝流離譚。ああ、滝沢馬琴の世界だな。崇徳上皇でピンとくるだけでも自分も成長したもんだ(笑)

肉筆画。
「文を読む女」。決して、普通の美人画ではないが、いい感じ。清方の絵の女性を心を乱れさせた感じ。1890年にパリで行われた日本美術の展覧会のポスターになったとの事。むべなるかな。

「高輪大木戸の大山講と富士講」
これもいいねぇ。大山講と富士講の容姿の違い。わかる?わかると更に面白い。お互いに引くことができず、一触即発。

シャレとユーモア、そして猫。
どれも見ていると愉しくなってくる。武者絵や妖怪ものの筆致とは全く違う筆遣い。
アイデアも面白いし、何より猫が!猫好きにはたまらないな。
「猫の当字」。あはは。猫って流体だよね。全く。

「流行猫の狂言づくし」。猫が役者絵を演じる。役者絵でもあり猫絵でもあるという。

「其まゝ地口猫飼好五十三疋」。東海道五十三次の地名を猫の仕草に洒落て描いたもの。下巻しかなく、当地近辺のシャレがわからなかったのは残念。

ああ、猫づくし。たまりません(笑)
ほかに狸もあるが、これは自主検閲ですな。

役者と伊達男
歌舞伎も役者名もイマイチピンと来ないが、絵に驚いたのは、「しんば連 魚かし連 市川三升へ送之」という作品。
普通の武者絵ではなく、のぼり旗の中に武者絵が描かれている。(多分うしろに鯉が描かれているから、五月の節句なのだろう)。その武者絵の描き方が素晴らしい。

多少端折って、最後に横浜浮世絵「横浜本町之図」
これか!見たことあったけれど、これが国芳とは思わなかった。(ほかにも江戸の風景画が展示されている)。猫にしても街にしても徹頭徹尾観察した人のように見えた。

「猫だけでは…」なんて言っていた自分が恥ずかしい。もっと浮世絵も観なくてはね。

名称:仏のすがた祈りのかたち -県博の仏教美術-
場所:神奈川県立歴史博物館
会期:07.25〜08.23
入場料:¥300(常設展の値段のみで入館可能)
見学日:2015/08/15
図録:未確認、目録はあり

少々手に余った展示だったかな。
気になったのは、2点。
寳生寺と弘明寺の所蔵品が多いということ。鎌倉時代以前まで遡ると、この二寺のものがおおきいのかな。
パンフレットにも写真が使われている「僧形神坐像」の素朴ながらも神々しい(といっていいのか)お姿。いつまでも眺めていられるお姿だった。

名称:コレクション展 地図と写真で見る馬車道
場所:神奈川県立歴史博物館
会期:07.11〜08.30
入場料:なし。無料で見学可能
見学日:2015/08/15
図録:無。目録はあり。

神奈川県立歴史博物館に行ったのは、こちらが目当てでした。(企画展も興味はあったけれど…ね)

五雲亭貞秀の鳥瞰図(地図)。展示では橋本玉蘭斎貞秀になっていたけど、間違いなく五雲亭貞秀。
「横浜地名案内」と「横浜新誌」(ここら辺は自分の趣味なので、わからなくても大丈夫)

横浜市電馬車道電停の駅名標。市電保存館以外でも市電関連の遺物を蒐集しているところあるのね。

震災で焼失したドームのない姿。(旧横浜正金銀行→東京銀行時代。再建は県立博物館になる際→後述)これは衝撃的な姿。建物としてのバランスが非常に悪い。

県立博物館実現の要請書。要請したのは関内商店街協同組合の理事長。馬車道のまちづくりと一体で県博をつくろうという計画。
ドーム(再)建設中の写真。
馬車道の街頭アーチもこの時に作成。

県博は当初、馬車道側の入口(ドームの真下)はなかったらしく、陳情があってはじめて開放した模様。その際の開所式の様子の事物が展示。

馬車道まつりなるイベントの様子。アイスクリーム発祥の碑もこの時につくられたようだ。(では牛馬水飲口のあれは?ちょっと調べてみよう )

横浜東宝会館の資料群。今はなき横浜東宝会館。横浜で映画を観たければ、横浜東宝会館かオデヲン座か相鉄ムービル(以前のもムービルでしたかね?相鉄劇場でしたかな?)のどれかという時代を過ごしたので、懐かしい場所のひとつ。
この展示はあれこれ言うよりも、実際にみた方が愉しいかも。
会場奥ではニュース映画の上映もしているしね。

このあとは、いろいろ計画はあったものの、無理はしない方針で帰宅。とりあえずそれでいいのだ。

しかし、今年の夏バテはひどかったなぁ。

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