名称:生誕140年 吉田博展
場所:千葉市美術館
会期:4/9〜5/22
入場料:¥1200
見学日:5/3
図録:あり、購入、¥2300*
ラルティーグを見たあと、武蔵野線で移動。西船橋→京葉線→千葉都市モノレールって、こりゃ鉄ですなw
見慣れた雰囲気あるよねぇwしかもそれが複線なんだぜ!
海外の風景を日本的な木版画にした人というイメージ(それもシャープネス効いたハイコントラストの)が強いけれど、デッサン、水彩、油彩どれをとっても一流の人でした。シャープネス云々も題材よって変化するので一概なことは言えないですね。
本人も登山をする人であったようで、山の風景の版画が多い。小島烏水との関係もあったよう?で、これはちょっと面白い。(小島烏水。登山家・作家・銀行家。横浜出身。日本山岳会の創立メンバー。美術コレクションが横浜美術館に寄贈。)
若いころから武者修行的に洋行を繰り返す。洋行して、現地で即売会して生活費・旅行費を得る。それが、新版画で海外の風景を描いた理由の一端かも。
帆船という一枚の版木から、刷りをかえて「朝」「午前」「午後」「夕」「夜」「霧」を表した私家版。各作品を見比べて、同じ版木であることを確認できた。同じ版木で発売されたものは「朝日」「夕日」「日中」。私家版の方が叙情性が高く見える。
欧州シリーズ。ユングフラウ山。ルガノ町。スフィンクス
米国シリーズの、ナイアガラ瀑布、グランドキャニオン。
日本アルプス十二景。全体にシャープネスきつめだが、霧や雲のやわらかい表現が素晴らしい。
いかにも浮世絵的デザインがこらされた「亀井戸」、「堀切の志ょうぶ」。「隅田川」「植物園の睡蓮(小石川?)」「百花園の秋」に描かれた東京とは思えない野趣にあふれた風景。
日本的情緒と海外の風景の取り合わせが妙なのだろうが、それ以上に吉田博の才能が上回っている印象を受けた。
同じ新版画でも川瀬巴水と吉田博は何かが違う。それが何かはまだ五里霧中である。
川瀬巴水が評価され、展覧会も多く開催される中、吉田博の新版画を多く見られる機会はありがたかった。
浦和と千葉をめぐる一日。眼福多しといえども、移動距離の長さにぐったりとさせられた一日だった。