Days on the Rove

好事家風情の日常。読書と散歩と少々の酒。

企画展感想棚卸

名称:江戸の博物学 〜もっと知りたい!自然の不思議〜
場所:静嘉堂文庫美術館
会期:6/25〜8/7
入場料:¥1000
見学日:7/17
図録:なし

私たちをとりまく大いなる自然。博物学とは、この自然に存在するモノについて幅広く研究する学問です。東洋では、それらは本草学として特に薬の分野で発達してきました。我が国も古くから中国の本草学を取り入れてきましたが、江戸時代後期の1700年代半ば頃から西洋の博物学がもたらされるようになり、その影響を受けるようになってきました。

本展では本草書の歴史をたどりつつ、それと並行して江戸時代の人々に西洋博物学がどのように受け入れられてきたのかをご紹介します。そこには、現代の私たちと同じ“自然への探求心”を見出すことができるでしょう。「江戸の博物学」の魅力をご堪能ください。

最近気になっているのが、江戸時代の本草学(博物学)。以前LIXILギャラリーで本草学関連の展示を見たが、今回は本草学にとどまらない範囲のもの。

以下メモ
中国の植物図鑑(元時代)と同じ物を江戸時代に復刻したもの。その差異。
備前焼の香炉。雁と雉。精細・写実。そしてかわいらしさ。いい。
天保時代の植物図譜。自然学と美術のいい関係。精緻さの中の絵師の絵心がほのかに神まみえる。
司馬江漢、杉田玄白、平賀源内、青木昆陽など。医学や科学、宇宙、オランダ語辞書まで。(やっと博物学らしく)
西洋の植物学手法を使った植物図鑑。分類にリンネの分類法を使用。(日本の本草学はあくまで植物の利用法として発達してきた故)
木村黙老の「鱗鏡」。260種の魚類図鑑。実際の絵を見られるのは展示の都合上一部だけだが、パネル化して全部を展示してあるのがよい。黙老という名に聞き覚えがあるのだが、畸人伝か森銑三の評伝で見かけた名だろうか。

コンパクトな展示だが、見応えはありました。

名称:ザ・模型 —NYK Model Ships—
場所:日本郵船歴史博物館
会期:4.23〜7.10
入場料:¥400
見学日:2016.05.04
図録:なし

日本郵船の艦船模型の展示。
メモ紛失につき詳細不明。スクリューと舵の位置関係が気になったことは覚えている。
あと、一部の艦船模型を半分にカットしているのに複雑な気分になったのも。竜田丸があったような。

名称:「しでんほーる」開館記念 第2回しでんの学校写真展「横浜市電が走っていた あの街この街」
場所:横浜市電保存館
会期:8/13〜9/4
入場料:(市電保存館入場料¥400)
見学日:2016/08/13
図録:なし

友人たちの肝煎りなので、開催初日に遠征。
写真自体も見応えがある。それ以上に写真の前で繰り広げられる多士済々の会話が非常に面白い。
当日は、写真展終了後に野毛で酒飯。鎌倉に移動し「怪談の夕べに」参加。最後は大船で酒。
「怪談の夕べ」は怪談そのもの…というよりは、日本近代文学のなかで怪談めいたもの(人間の業を描いたもの)を朗読会でした。
鎌倉の路地の家(静かで涼しい!)の雰囲気と相まって、いい会でした。

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