Days on the Rove

好事家風情の日常。読書と散歩と少々の酒。

横浜の企画展三件

名称:細心精緻な幕末絵師「貞秀」ワールドにようこそ
場所:横浜市中央図書館1階展示コーナー
会期:8.16〜9.19
入場料:無料
見学日:9.7
図録:なし。展示目録・参考文献リストあり

横浜浮世絵と鳥瞰図を描いた幕末の絵師・五雲亭貞秀についての展示。
以前より気になる絵師。まさか図書館で展示があるとは思わなかった。(過去に県立歴史博物館で展示あり)
まずは貞秀の浮世絵師としての位置づけから。
国貞門下(国貞はあまり作品を知らないので、今後気をつけてみてみよう)。
パリ万博の浮世絵(総代)代表として参加(どんな作品が展示されたのだろう?)。
馬琴の作品の挿絵を描く。(八犬伝にも書いていたはず。貞秀の文字を見た記憶が)

次は作品
横浜土産という。詩画集。詩歌は他の人のもののようだ。(ちゃんと読めなかった)
幕末・開国時の横浜の風景。鳥瞰図的手法で、眺めていてい飽きない。作品を間近でしげしげと見られるのは、微細なところまで確認できて面白い。
絵の中に本牧十二天の崖を見つける。今では想像がつかない風景。
当時の横浜周辺の村の名で聞き覚えがないものを発見。首をひねる 。

鳥瞰図。
武蔵国全図。武蔵の村と街道を描いた地図。他にもいくつかの国で描いているようだ。(相模国もあればねぇ…)
富士山真景全図。富士山を描いた図。展示されていたのは、組み立てて富士山を立体的に見るもの(一種の立万古か。神奈川県立歴史博物館で販売している記憶)。
実際に彼自身が富士登山の経験があるようで、それ以来鳥瞰図的手法を会得したものらしい。

参考文献の展示と電子アーカイブの紹介。(うまく繋げてあるなぁ!)

コンパクトながら見応えのある展示でした。

名称:豊かな海と暮らし 金沢区柴の昭和史
場所:横浜市中央図書館地下1階(横浜市史資料室)
会期:7.16〜9.22
入場料:無料
見学日:09.07
図録:なし。チラシと市史通信

小柴の海苔、シャコ、そしてタイラギ(という貝)について。資料と写真を中心とした展示。漁労史にとどまらず地域史的視点も含めた面白さ。
タイラギという貝が気になる。貝柱を寿司ネタとして利用したものらしい。今でも食べられるのかな。潜水服による漁法はやはり房総からきたものだろうか。
海苔の生産方法の技術革新。出荷量が最大だったのは、金沢の埋立がはじまる昭和40年代。それ以前は微々たるもの。
海苔生産の道具の展示。八聖殿郷土資料館からのもの。八聖殿も行ってみなくてはね。

横浜市史資料室の展示は毎回素晴らしいのに、なかなか入ってこないのが難。(図書館の展示も…だけど。何かいい方法はないものか。)

名称:重要文化財指定記念 まるごと氷川丸
場所:日本郵船歴史博物館
会期:7.16〜12.25
入場料:¥400(博物館のみ)
見学日:09.07
図録:あり。値段不明。未購入。(購入予定)

これは横浜市民なら行っとけレベル。図面、絵葉書、パンフレット、写真、メニュー表などの資料の一つ一つが面白い。食堂などのカラースキーム透視図が見応えあり。(設計チームの違いを見るべし)

戦中の病院船時代や、戦後すぐの復員船・引揚船・商船(内航)時代や、シアトル航路に復帰の資料などもあり、(くわえて横浜係留後のも!)まさに「まるごと」でした。

館内に展示された氷川丸の艦船模型と実際の氷川丸も含めて見て回るとよい。できれば展示説明も聴きたいところ。(今日は寄れなかったが、横浜みなと博物館の柳原良平展もいくべし)

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