Days on the Rove

好事家風情の日常。読書と散歩と少々の酒。

2020/09に見た企画展

今後は月ごとにこんな感じで書いておこうかと。
というか今年はコロナと体調不良で博物館・美術館めぐりがなかなかできてないなぁ。

名称:海を渡った鎌倉のユリ 明治・大正期のユリ球根の栽培と輸出
場所:鎌倉市玉縄図書館
入場料:¥0 無料
期間:2020/09/08〜2020/09/22
見学日:2020/09/22
図録:なし。資料配布あり。

海外で日本のユリがブームになった時代。山取りした自生のユリ球根の輸出から始まり、テッポウユリの栽培による輸出への変化。(このあたりの話って、磯子のアヤメ?ショウブ?の話と似ているな。震災でダメになったところも)。
横浜港が近いというのも産業化された理由のひとつなのだろう。とすれば、ユリも、ショウブも、食用蛙も…。なるほど。

横浜植木などによるユリのカタログ。その絵の綺麗なこと!
横浜の花火屋のカタログもそうだったが、こういうものをしっかり作って海外進出していたんだなぁ。ちょっといろいろ感慨。

ユリの輸出は農事試験場(のちのフラワーセンター)ができる前。そういう系譜(というか土地の記憶か…)も大切にしたい。

非常にコンパクトながらいい展示だった。

名称:【復活開催】明治錦絵×大正新版画-世界が愛した近代の木版画-
場所:神奈川県立歴史博物館
入場料:¥900
期間:2020/08/25〜2020/09/22
見学日:2020/09/22(最終日!)
図録:あり。購入。¥2000

春先に大々的に開催予定だった同一名の企画展がコロナ禍によって中止に追い込まれたもの。それが期間が短いとはいえ復活開催できて良かった…。
横浜浮世絵ではなく明治錦絵なので、いまいちピンと来なかった。後半の新版画は良かった。土屋光逸、ノエル・ヌエットをこれだけしっかり見たことはなかったな。(ヌエットの本を読んでみたいのだが…。岩波あたりで文庫化されないだろうか…)
土屋の影。ヌエットの線(元はペン画?)の美しさよ。そして、美人画のコーナーが少しあって島成園の絵を見ることができたのは収穫。さらに北野恒富(!)の絵も久しぶりに見た気がする。
今回の展示の元になったコレクション。輸出用浮世絵の版元としての大蔵孫兵衛が大蔵陶園(戸塚)や大倉山の大蔵精神文化研究所、そして大蔵洋紙(今の新生紙パルプ商事〜今回の図録の紙に使用!高級紙らしいぞ!)というわけで横浜とのつながりもあって面白い。
そういえば最後に大蔵陶園が新しく作った浮世絵柄のタイル絵(というの?)が飾ってありましたね。

展示エリアの一番最後に担当学芸員さんの想いが貼ってあって涙。楽しみにしていた展示だけに、復活できて良かったです。

中止になった平塚美術館の川瀬巴水展の図録も売っていたが、これは現地(来春に復活展示するらしいよ!)で入手したい。

次は川崎に移動。初見参の川崎浮世絵ギャラリーへ。

名称:発行135年記念展 月岡芳年「月百姿」(後期)
場所:川崎浮世絵ギャラリー〜斉藤文夫コレクション〜
入場料:¥500
期間:前期 8月22日(土)~9月13日(日) 後期 9月19日(土)~10月18日(日)
見学日:2020/09/22
図録:なし?不明。

本当は太田記念美術館の月岡芳年展「血と妖艶」をみたかったのだが、まあその代償行為で。
とはいえ、川崎浮世絵ギャラリーをようやく覗くことができたので、よしとするか。

血まみれ芳年のイメージとは違う丹精な作品群。題材がそうさせるのか。
月を題材としながらも、歴史上の人物をはじめ、妖怪や幽霊、動物達も登場し、また物語から得た題材も多く描かれる作品群。
神経を病んだ最晩年に描いた作品と知ると、いろいろ思いがあふれてくる。また、そう知ったせいか緊張感の走る作品に感じたかな。

次は川崎から東急バス五反田行きで大田区立郷土博物館へ。ここに行くには川崎からのアクセスが便利だとつくづく思う(個人の感想)。

名称:川瀬巴水―日本を歩く―
場所:大田区立郷土博物館
入場料:¥0 無料
期間:08.18〜09.22
見学日:2020.09.22(最終日!)
図録:なし

これもコロナ禍で中止になった特別展の代替コーナー展示。

コーナー展示とはいえ作品と現地での写生帖を並べたりして、眼福の展示でした。

この日は、3つの展示がすべて浮世絵の展示という誰得?/俺特!の一日。
冒頭でも触れたが、コロナ禍と自分の体調不良で、散々な今年のお出かけ事情。こうやって、すこしづつありふれた日常を取り戻せていくといいな。

 

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