Days on the Rove

好事家風情の日常。読書と散歩と少々の酒。

20201103武相荘へ

町田市鶴川の武相荘へ行く。白洲正子の文章に嵌まりつつあることを友人に話の接ぎ穂で話していたら、武相荘行きに誘われた。

骨董や着物の価値はわからない自分だが、書籍のそれはわかる。書斎がわり使っていたという部屋に雑然と置かれた書籍群を見て、白洲正子に親近感が湧いた。一分の隙(物理的というよりも精神的)もなく整然と書籍が並んでいるのかと想像していたので意外感があった。
カラーブックス(なるほど!これを手元に置いておくよね!というラインナップ)や岩波写真文庫(どの号なのかは判読できず。ただ、カラーブックスから察することはできそう)。なかには赤瀬川原平の著作も並んでいた。赤瀬川原平…、しかもその著作をなぜ…という気持ちになる。

庭が本当に素敵だった。そして近くを幹線道路が走っているのに静かな場所だった。ちいさな谷戸とはいえ、道路は近いのに…。そして思いのほか眺望は効かないように見受けられた。鶴川日記のなかで、この近辺には奈良を想起させる地名が多く、柳田國男にそのあたりを調べてみるよう勧められたとの記述があるのだが、見えたであろう三輪山すらわからなかった。戦後すぐあたりの周辺の風景を今の自分には察することはできないが、全く違うのだろうな。

写真を撮るのが好きな自分が、一枚も撮らずにいるなんて始めてのことだった。それだけ場所の空気に魅入られていたのだろうな。

そして白洲次郎が正子に贈ったポートレートとそこに描かれた言葉”You are the fountain of my inspiration and the climax of my ideals.”(君は私にとって発想の源であり究極の理想だ)をみてグッとくる。まさにこれなんだよね。

季節が変わるたびに訪れてみたい場所だった。そして近くにある(コロナ禍で休館中の)畦地梅太郎のアトリエもいつか訪れてみよう。

鶴川日記 (PHP文芸文庫)

鶴川日記 (PHP文芸文庫)

  • 作者:白洲 正子
  • 発売日: 2012/05/17
  • メディア: 文庫
 

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