Days on the Rove

好事家風情の日常。読書と散歩と少々の酒。

2020 Best of the Bests

一年の締めくくり、恒例の記事を。

まずは企画展・イベントから。ただし、コロナ禍で大して巡れなかったのはしかたがない。
2021はもう少し巡れるように…なるのかなぁ。今の状況だと…

相模川流域のみほとけ@神奈川県立歴史博物館

ch.kanagawa-museum.jp

感想

とにかく、海老名・龍峰寺の重要文化財「木造千手観音菩薩立像」の美しさよ。もう、それだけで十分。
とはいえ、県央域の奥深さを感じさせる展示だった。そこも含めての評価。

【復活開催】明治錦絵×大正新版画-世界が愛した近代の木版画-@神奈川県立歴史博物館

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感想

コロナ禍でいったん中止になった展示を復活させた。それだけでもありがたいのだが、内容も充実の展示だった。
開化絵=明治錦絵は横浜にとっては、追いかけなければならないことであるけれど、大正新版画までしっかり押さえてくれたのがうれしい限り。とくに、外国人絵師・ノエル・ヌエットの作品群をしっかりと見せてくれたのはありがたい。
あとはコレクターという人種をしっかりとリスペクトしているのが面白いと感じたかな。

次は書籍。

今年は112冊を読書。購入は109冊。合計金額、¥112892ナリ。

自分には学問的妥当性の判断はできないが面白い本だった。
現地のフィールドワークや史料群から推論していく様子に興奮させられた。

新田次郎の劒岳〈点の記〉 (文春文庫)があってこその線の記。

昨年のBestにいれたチョコレート・ガール探偵譚とは探索のスタイルは違う(アームチェアとフィールドワーク&文献調査)が、こういう探偵稼業が好きなんだろうなぁ、俺。

 

著者 : 高山英男
朝日新聞出版
発売日 : 2020-02-20
帯の「異世界へのゲートウェイ」という言葉がしっくりときた。各章では様々な暗渠の見方を示し、その理論と実践を教えてくれる。そして最終章で試し切りに供されたのは「横浜」と。

 近年、自分の中で大きなポジションを締める暗渠についての本。著者のお二人を知っているだけに、いろいろ感慨深い。「異世界へのゲートウェイ」という言葉に膝を打つ。そして、本ばかり読んでないで、ゲートウェイ探索に外へ出ないとな、俺。
著者たちが横浜を取り上げてくれたけれど、まだまだ横浜には彫り込める暗渠があるはず。そういうのを探して、取り上げていきたいね。

 

 昨年末に1冊読んでから嵌まってしまったpanpanya先生の作品のひとつ。とりあえず、入手できるものはすべて読みました。
街というか自分の周囲に転がるもの(システムだったりデティルだったり)への執着と、少女性のある非日常性と過剰な書き込みのリアリスティックな風景の描写と…。ああ、好みの漫画でした。次作が待ち遠しいです。

 

尊い…。ああ、これは21世紀の光画部なのだと。

既刊5冊をまとめて。最高なのは第一巻だけど。
ある種のクリエイティブ系のオタクにはたまらない作品ですね。そして自分の推しは金森氏。あんな豪腕のマネジメントをやってみたいわ…w
つか、妄想力全開&勝手気ままな猫のようなクリエイター相手にマネジメントするって、いろいろ親近感覚えちゃうがな…w
光画部って書いたが、高校時代にここまで本気で飛んでみたかったな。それを後悔しているよ。
次巻を刮目して待つ!

 

歩く学問の達人への聞き書き本。で、「歩く学問」って、何だろう?
うまく説明できないが、自分の足で立っている学問の達人ということではないだろうか。
取り上げられているのは在野研究者だけではないが、在野研究者が一番しっくりくる表現かな。

 

ああ、いい物語だった。ちょっとした偶然がカチリと重なった瞬間に物語は生まれるのだな。自分のベスト映画のSMOKEの味わいに似ているかな。

年の瀬に飛び込んできたベストの本。こんな本があったのに気がつくのが遅すぎるよ、俺。

 

最後に見にいけずに歯噛みした企画展たちを紹介する。

清宮質文はちょっと気になっている。せっかくの機会を逃したくはなかったのだが…

これは、あとで再展示したんだけどねぇ…

図録だけは入手した。それだけでもよかったと思う。(図録を見て、行きたかった気持ちはかえって募ったがw)

これは再展示を見学できた。

再展示の可能性がある。期待。

これも再展示の可能性がある。期待。

以上。

これで2020年のブログ更新は終了です。ありがとうございました。
今年はココログからの引越という事件がありましたが、はてなブログには概ね満足しています。
実際のところ、過去記事の手直しは終わっておらず見切り発車状態ですが…まあw
来年もよろしくお願いいたします!

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