Days on the Rove

好事家風情の日常。読書と散歩と少々の酒。

読了本 2022/11

2022年11月は16冊。 本棚登録は51冊。購入は10冊/¥8374。

辻まことの画文集。当時入手できなかった本。
山の声がよい。月に向かって吠えた女の子の話。(仏像・狼信仰・大菩薩…)そういう感応もあるのだろうな、と。

登山系の随筆なら、自分は辻まことのそれが一番気分に合う。
月に向かって吠えた女の子の話がよい。子供時代の感応の話。それにしても辻まことは大森に住んでいたのだなと。
文中にでてくる娘、その母親が武林無想庵の娘(イヴォンヌ)と知る→山本夏彦の無想庵の評伝を思いだす→次の本へ

筆者が親炙した武林無想庵の評伝。自分的にはその娘・イヴォンヌを妻にした辻まこと(無想庵と辻まことの父親は友人)あたりの話を知りたかった故。
自分の中からドロッとした感情が溢れそうになるのだが、ここでは詳細を書くのを遠慮する。

イヴォンヌを挟んで山本夏彦と辻まことが恋のさや当て(但、伝・山本夏彦)をしていたことを知る→それ以上に無想庵がダメな文士であることに辟易とする。

まさに杉浦日向子エッセンスであった。自分の興味からいえば、北斎と応為の創作(小説)や、井上安治について書かれた文章を読めたのがうれしい。正岡容や森銑三リスペクトもか。

杉浦日向子さんはけっして作品数が多い方ではないのだが、まだまだ見果てぬ山だなぁ。
それにしても正岡容、森銑三リスペクトに対して、小村雪岱はお好みではなかったらしい。残念。春信的なものはお嫌いなのかなぁ…

観文研は宮本常一なりのアチック・ミュージアムなのだなと。
読んで自分もその熱にあてられたような気がする。
自分としてはもっと冊子「あるくみるきく」のことが知りたかったかな。
あとがきや宮本千晴さんの文章を読む限り、著者も観文研風の薫陶を浴びたのだ深くおもう。

観文研ではなく、観文研の旅人たちに視点をあてた本。その旅人たちの熱量と著者の取材の熱量にあてられるね。
あるくみるきくはもっと古書店で深掘りしていかないとな。

連作集。
令和の世にリューインの新作が(アルバート・サムスンシリーズが!)読めるなんてね。読み始めは変化球に驚いたが、最後まで読むとまっとうなリューインの作品であった。

ネオ・ハードボイルドというジャンルの作品。単純にいえば主人公は正義のために社会性(倫理観?)を無視するタフガイではないということかな。
そのむかし夢中になったシリーズだった。読み返せば、またなにか違う感想を持つのかな。(主人公よりも年上になってしまった様な気がするのでね)

著者 :
本の雑誌社
発売日 : 2022-11-10
本の雑誌草創期の椎名・目黒両氏の話は社史などで知っているが、スタッフの思い出話が面白い。漫画もちゃんと読まなくては。

というわけで、次の漫画を即買い。

Web上でチマチマ読んでいたものの単行本。熱量と人の出会いという物の妙だなあ。

これを読むと椎名誠の熱量と、目黒孝二のダメさ加減(といいつつのゆがんだ熱量)にあてたれるなぁ。
それと創刊号ができあがったときのインクの逸話は、自分も経験したなぁ。あれはいいものよ。

民俗学の本は対象に関して書かれることが多い様に見受けられる。が、この本は民俗学の骨組みについて繰り返し書かれている。そこがこの本の特徴ではないか。

終章の「私(たち)が資料である」という言葉に膝を打つ。

対象とは研究対象の特異性ね。あと民俗学って民俗学者についてかたらるイメージも強いのだが、これは民俗学というシステムについて語られていると思う。

太田記念美術館の同名企画展の図録。清親・安治の光線画を網羅できるのはありがたい。

明治における浮世絵の一形態であり、プレ新版画でもあるというかなんというか。
そして敬愛する杉浦日向子さんの作品・YASUJI東京の世界でもある。

友人から拝借。そもそもは一緒に、高島屋史料館の展示・「まれびとと祝祭―祈りの神秘、芸術の力―」を見た故のアレコレ。
この本自体の問題も踏まえつつも、そこに岡本太郎が見た物には真実があると思う。
ただ、文化盗用てきな視点があるのかもしれないと感じつつ。

【電子版】アップルシード(2)プロメテウスの解放
【電子版】アップルシード(3)プロメテウスの小天秤
【電子版】アップルシード(4)プロメテウスの大天秤

何年ぶりの再読かな。

おお、こんな漫画があるのかと。
池田輝方と池田蕉園の物語。脇役で水野年方と鏑木清方(清方って、こんな感じなのかw)。
宙に画を描くシーンが何か良い。
作者はスインギンドラゴンタイガーブギの方。こっちも気になっていた作品だなぁ。

今後が楽しみ。

自分のジャンルではないのだが、それぞれのジャンルにこういうのはあるよね。

今週の積読から(あまりの変化のなさに)変更した今月の積読。結構減らしたのではないだろうか。強敵が控えているのは変わらないのだが。

 
 
 
 
 
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