Days on the Rove

好事家風情の日常。読書と散歩と少々の酒。

Event Review 2023/01

名称:石倉正英の一人芝居&飯塚直フエコエ guest阿部篤志ピアノ
場所:横浜エアジン
入場料:¥3500
期間:2023/01/15
見学日:2023/01/15
図録:ーー

ブックカーニバルin鎌倉に毎回大人の朗読会として参加してくださっている石倉正英さんの朗読会。かつ、澁澤龍彦の「ねむり姫」ならなおさら伺わねばなるまいて。

ただの朗読でもひとり芝居でもない。音楽とのマッチング。くわえて芝居と伴奏というだけではない、不思議な空間と時間がそこにはありました。

過去の石倉さんの朗読や芝居を思い返すと、こういう幻想的な作品がお好きなのかなと感じまた。「ねむり姫」、以前にブックカーニバルで朗読しているらしいのだが、記憶になく…。というか、スタッフはほぼほぼ朗読を聴くことができないのよね…

水想観のシーン、本当に水の中を漂うような感覚を覚えたのは気のせいか、演者の力か。

あんなにジョークのお好きな方だったかな?石倉さん。と思っていたが、そういえば鎌倉BCでもジョークを交えていた記憶が…

メモ的に。つむじ、輪鼓、貝合せの螺旋、紡錘(つむ)。回転への指向、輪廻転生か。紡錘と舟の意味の同義性。よくよく考えれば物語自体がメタ性の螺旋指向なのかもしれない。

 

原作を芝居のあとに始めて読む。同行者が指摘した最後の一文(朗読ではそれを読まなかった)が気になっていたので。
なるほど、物語はその一文でメタ性の螺旋指向が高まるのだが、芝居としてはこれでよかったのかもしれない。
幻想文学であることの〆としてのとってんぱらりのぷうのような物なのだろう。

名称:マンガ家・つげ義春と調布(すでにリンク切れ)
場所:調布市文化会館
入場料:なし
期間:2023/01/05〜01/22
見学日:2023/01/22
図録:リーフレットのみ(地図入り)

最終日故か、大混雑&目の前で入場規制が始まる憂き目に。とはいえよい展示であった。 

無能の人(新潮文庫・ちくま文庫版)にまとめられた作品群のなかの調布らしき風景をアレコレ想像していたものが、マッピングされて展示されているという。これって聖地巡礼では!?
そういう意味では聖地巡礼も悪くないのかもしれない。

鳥師の水門は行ってみたいなぁ。あと、退屈な部屋のモデルになった女郎屋?は布多天神社の近くにあったらしい。

自分のつげ義春体験は、学生時代に友人に借りたねじ式や紅い花を先に読んだので、竹中直人の映画以前なはずだが、あの映画の影響は濃いのだなと感じたな。
今でもどちらかといえば無能の人が好きなわけだし。

藤原マキさんの掲載誌などのアレコレにも触れられていてうれしい限り。

人混みが多くなければもっとじっくり鑑賞したかった。残念。

帰りに京王線のダイヤが乱れて右往左往。発車順序や種別がアナウンスのたびに変わって、ああいう状況下では混乱するものなんだなぁ。駅員と車掌の緊迫したやりとりを耳にしたよ。

快速だったものが各停に切り替わったのに、再度快速に変更。しかも途中で抜かされないとのアナウンスだったのに、結局八幡山?で2本抜かれたのはなんだったんだ。

名称:戦前の新宿 ―1834(天保5年)~1940(昭和15年)―
場所: 新宿歴史博物館
入場料:¥300(常設展¥300)この展示だけなら無料
期間:2023/01/14〜04/09
見学日:2023/01/22
図録:なし?

つげ義春の後は曙橋へ足を伸ばし、新宿歴史博物館の展示に。曙橋周辺なんてはじめて歩いたかもしれない。四谷側から荒木町は歩いたことがあったような気はするのだが。

地図と写真で江戸から戦前までの新宿を再構成する展示。これは気になるよね。
企画展だけなら無料で観られて、常設展が¥300掛かるという不思議。当然、常設も観ましたけどね…(常設もなかなか見応えあるので、見学すべきです)

「風俗画報」という雑誌(写真と画で構成された雑誌?)が展示してあったのだが、山本松谷が描いていたのはこれだったかな??なんか記憶があるような…

京王線が山手線の上を越えていたというのは知識では知っていたが、実際の写真を見ると結構衝撃。駅ビルの名が京王パラダイスというにはちょっと笑った。百貨店ではないのね…

地図と写真をこれでもか!というぐらいに眺める展示構成。一見の価値あり。

名称:れきはくギャラリー展示 「昭和30年代新宿風景と人々」
場所:新宿歴史博物館
入場料:上記におなじ
期間:2023/01/14〜03/31
見学日:2023/01/22
図録:なし

このコーナー(廊下なのでギャラリーともいえない)展示が見たかったもの。
新宿区在住の一般人が学生時代に野田宇太郎の文学散歩に憧れて、ストリートスナップした写真群の展示。

www.tokyo-np.co.jp

ブレ・ボケもある写真だけど、今の自分の心境にはしっくりくるものでした。またストリートスナップを再開しようか、というぐらいには。

そもそもこの日は、調布と曙橋を巡る前に、恵比寿駅から歩き代官山蔦谷書店へ。内田有紀さんの論考が載っているという建築学会の学会誌を購入したのでした。その後そのまま山手通りを歩いて神泉駅まで。東京の地理感に疎いので、あんなに近いものとは思わなかったよ。そういう身体感覚で都市を感じないとね。

なるほど、TVの芸術系番組の建築特集で内田有紀が登場するわけだ。

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