Days on the Rove

好事家風情の日常。読書と散歩と少々の酒。

20210410土浦へ

思い立って土浦へ。
つちうら古書倶楽部という大型古書店に行ってみたかったのが一番の理由。

つちうら古書倶楽部の解説なら、デイリーポータルの記事が詳しい。

dailyportalz.jp

準備に手間取って、品川駅からの常磐線特別快速にギリギリ乗換可能な列車に乗るハメに。しかも途中線路支障で緊急停止。結果、品川乗換の自信がなくて、新橋から乗車するというアクロバティックな事態に。
グリーン車を利用するのは大人の特権か。むしろ大人の事情かも知れんがw

新橋から1時間強で土浦に到着。意外と近い、という印象。

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つちうら古書倶楽部入口風景

元パチンコ屋を改装した売り場。22店もの古書店の合同ということで、とにかく広い。
古書店の集合体(島単位で各店舗)という体なので、ジャンル毎に分類されていない。ゆえに非常に探しにくい。各島を巡り、じっくり時間を掛けて掘り出していく…というスタイルで挑むとよいと思う。
個人的には、銀花、アルプ、東京人、平凡社の雑誌・太陽、芸術新潮があったのがうれしい。文庫(中公・ちくま・講談社学芸・講談社文芸、現代教養、カラーブックス)、ライブラリー判などはそれなり。ユリイカ、広告批評、本の雑誌、彷書月刊は姿を見かけず。
デイリーポータルの記事では鉄道関係も多い様な話だったが、それほどでもなかったな。これは鉄道趣味の人がイナゴった可能性が高いとみた。
郷土史は茨城県が中心(これはしかたがないか)。古地図、観光関係はあるものの、分類されていないので、行き当たりばったりになってしまうか。

辛い口ぶりで書いているが、もっと時間を掛けて本を探したい!と思わされた。目当てをつけて訪ねる古書店ではなく、掘り出し物があるかもしれないと尋ねる古書店なのだ、と。

というわけで戦利品を。

 
 
 
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平凡社の雑誌・太陽。俺が太陽をちゃんと見るようになったのは、休刊する前の数年なので、このころのは初見に近い。荒俣宏さんの編集っぽい雰囲気がプンプンする特集。

マイブームの白洲正子さんの本は、読みたかった本。他の探求書は、ちょっと状態が悪かったので購入せず。

澁澤龍彦の小説は、澁澤龍彦にはまっていた頃にはすでに絶版(福武書店だからね…)だったもの。当時、図書館にも高丘親王航海記以外は蔵書されていなかった様な記憶。

常盤山文庫のパンフは、鎌倉にあったその場所がどんな雰囲気なのか知りたくて購入。
常盤山文庫は菅原通濟という実業家?のコレクション。まあ、いろいろ毀誉褒貶ある人なのだが、検索すると結構誰でも知っているアレの関係者だったりする人とでもいえばいいのか。
この当時は(〜'80年代ぐらいまで?)鎌倉で一般公開していたのだが、現在はコレクションの一部を他館開催の展覧会に貸し出すというスタイル。
料理屋もあった記憶があったのだが、それは三貴園という名前だったのね…

つちうら古書倶楽部。また機会を得たら訪れたい。

古書店のあとは、土浦の街を少々探索。旧水戸街道という場所と訪れたのだが、そこが最初に目にしたのが…

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櫻橋と書かれた橋の親柱!ここも暗渠ですか!(奥に延びる道が旧水戸街道)
帰宅後検索してみたら、近くを流れる桜川という川が、昭和初期まではこのあたりを流れていた模様。その後暗渠化。河川改修で流路が変化。ということらしい。
暗渠を探すという気分でもなく歩いていたので、偶然に出会った暗橋に驚いたなぁ。

旧水戸街道ぞいは、古い建築が多く残っているようで。

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こんな風景が広がっている。
一枚目の看板建築は、菓子屋だったようだ。意匠が素晴らしい。営業していたら、突撃するレベル。
二枚目は元商家。現在は観光施設として利用されている。
三枚目はわかりづらいが、奥で街道が鉤の手に曲がっている。手前の商家の塀が石造りなのだが、美しいマーブル模様なのだ。

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石の切り出し方を意図的に変えて、配置も意図的に並べてあるという…。
これ、どこの石なんですかね?石を見ても判断できるレベルではないからなぁ…俺。
ただ、この石塀が古いものではなく、昭和〜平成の可能性もあるのではないかとも感じた。

飲み屋街らしき場所も通りかかったのだが、土曜日の昼間ではなんとも閑散として…
地理人さんだったかな。初見の街でもどういう街の構造なのか想像できる(だった?)があったけれど、俺には無理だったな。こんなところが飲み屋街なのか!って感じだったな。
宮本常一のお父さん(世間師)の言葉だったかな。初見の街は高いところから見下ろせ(超訳)みたいな方がしっくりくるかもね。今度実践してみよう。

古書店と川魚料理店と古い街並みと…土浦は面白そうな街と感じた。
また行く機会を作りたいな。

まっすぐに常磐線で帰宅するのもアレで、我孫子で途中下車。成田経由で帰宅。
土浦と成田…どちらのウナギで有名なのに…。我孫子の立ち食いそばで済ますという…

企画展・イベント感想2021/03

名称:≪市制施行80周年記念≫ 藤沢トラフィック -浮世絵の道から鉄道と道路の記憶-
場所:藤沢市藤澤浮世絵館
入場料:無料
期間:2021/02/06〜04/18
見学日:2021/03/12
図録:なし

コロナ禍による緊急自体宣言の影響で休止になった展示を一週間だけ再開(3/7〜3/14)したもの。

交通史や観光史、浮世絵・写真アーカイブ・地図・鳥瞰図への興味で出掛けた展示。

まさか山本松谷の絵や山高登の版画まで見られるとは。

藤沢飛行場の当時の航空写真が観られたのが収穫。古道の分断と地形的な理が具体的に見ることができたのて、いろいろと感慨が。

藤沢本町付近の住宅分譲のパンフ(伊勢山?)。今では見る影もなさそうだが…。緑地帯の多い分譲=田園都市的というのも多かったのかな。

名称:没後70年吉田博展
場所:東京都美術館
入場料:¥1600
期間:1/26〜3/28
見学日:3/26
図録:あり。購入。¥2200

大正新版画の巨匠のひとり・吉田博。山と海外風景の新版画で有名か。

桜満開の上野公園&コロナ緊急事態宣言解除のアレで、大混雑を覚悟していたのだが、それほどでもなかったな。整理券の配布はあったけれど、すんなり入れたのは意外だった。

穂高山とか雨後の穂高山とかいいよね。と山を持ち上げるよりも、わたしゃ新版画で東京の風景を見たい人なのだなと強く感じたな。亀井戸、平河橋、神楽坂通 雨後の夜、上野公園など。
帆船の時間エディション違いをすべて並べてあった。どの時間が気に入るのかね。俺は午前なのだが。(朝、午前、午後、霧、夕、夜の6種)どれが一番こころに来るか。…午後かなぁ。
沼崎牧場のひる。これはよかったな。提灯屋や根津 正直八百屋の人物の稚拙さ。人を描くのは苦手だったのかな…
梅之家。このあたりが吉田博らしい作品か。この作品に限らずシャープネス強め、彩度高めみたいなイメージがある。ちょっとCGを想起した(だから現代で受けやすいのかな?)。とはいえ茫洋とした背景の淡い色使いもなかなかステキなのだが。
藤乃庭。いいなあ。額に入れて壁に掛けておきたい。一応、自分の家紋がらみなので、余計に。
倉や潮待ち。これらもいい。特に倉。白い倉の壁。帆を出した木造船。波間に揺れ写るそれらの色合い。溜息がでる…
東南アジアやインドの風景作品。知識がないので画趣を受け取れないが、それでもインドの強い日差しとその影の雰囲気はあるように思った。やはりコントラスト高めが吉田博っぽいのかもしれない。
上野公園のさくらを眺めて、東京都美術館に入った故か、桜の作品が目立つような気がしたな。三渓園、弘前城、嵐山…。特に弘前が好みかな。嵐山のほとんど桜色を使わぬぼんやりとした色合いも良かった。
港之夜。こんな人工物の作品もあるのだなぁ。黒い影の大型客船と窓明かり。ファンネルからして日本郵船かな?氷川丸系ではなく鎌倉丸系の船じゃろか…
色刷りが80回という東照宮。さらにその上を行く96回の陽明門。じっくりと眺める。色の濃淡が細かい。
などなど、新しい発見はなかったものの久しぶりに見た吉田博の作品に楽しませて頂きました。

以前、千葉市美術館での展示行ったよな…とブログを見返してみたら、大体同じようなことを書いているwしかも図録を買っているだと!どこにあるのだろうか…

nekotuna.hatenadiary.jp

名称:没後30年記念笠松紫浪ー最後の新版画
場所:太田記念美術館
入場料:¥1000
期間:2.2〜3.28
見学日:3.26
図録:あり。購入。¥2200 没後30年記念 笠松紫浪―最後の新版画

 ブログやTwitterを検索する限り全く見ていないわけではないようだが、ほとんどノーマークに近い新版画の笠松紫浪。その回顧展。

nekotuna.hatenadiary.jp

nekotuna.hatenadiary.jp

とはいえ、古いブログを拾ってみると確かに観たことはあるようだ。この印象が長続きしなかったのは不覚だった。

吉田博の精緻な新版画を見た後だと表現が甘く見えてしまうのだが、そうでもないよなと感じた。霞む夕べー不忍池畔ーの浮世絵調の構図と淡い色彩。これもまたひとつの新版画のスタイル。
春の宵ー銀座のモボ・モガが闊歩する様子。ネオンと照らされる街並み。東京の新風俗。これも画趣になるのだと。
雨の新橋。雨に濡れた道路の照り返し。桜 上野東照宮。花片が立体的に見える。塗料を盛っているのかと、目を凝らす。この二作は、本当に素晴らしい。
上野 五條天神。あ、川瀬巴水がそこに、と感想が漏れる。宵闇の美しさ。静謐な時間。(五條天神って、どこだろう?)
紀の国坂 梅雨。ばれんの使い方で雨を表現。なるほどねぇ。
鎌倉大仏 見本刷と初刷を並べて展示。なるほど初刷はその変更した表現の意図が見える。
お茶の水 たそがれ。ニコライ堂とお茶の水橋。モダンなスタイル。ちょっとデフォルメされているかな。新版画というよりモダニズムっぽい雰囲気も。
気になった作品はこんなところか。前期での展示だった、横浜港ー谷戸坂、隅田川 言問橋、東京タワーは見たかったな。特に東京タワーは見たかったな。

練馬区立美術館で電線絵画展という展示を開催中で、美術における電線の扱いをいろいろ探訪した展示なのだが、Twitter上で電線を描く/描かない新版画家の話が取り上げられていた。曰く、前者が川瀬巴水。後者が吉田博。では、笠松紫浪は?。

www.neribun.or.jp

 …結局、何に画趣を覚えるかなのだろうな…そしてこの展示もぜひ行きたい。

新版画って、同じスタイルと漠然と思っていた気がするが、それぞれの絵師によって違う物なのだなぁと。同じ版元でも絵の雰囲気が違うのはそういうことなのだろうな。
ただ、逆もまた真なりで、同じ絵師でも版元が違うと明らかに違ったりする。抱えている彫師・摺師の技量や版元の意向もあるのだろうな。

一日で2つの新版画展を巡ることができたのはいい経験だった。

名称:おもしろ同人誌バザール10@大崎駅南改札前
場所:大崎駅南改札前
入場料:無料
期間:2021.3.28
見学日:3.28
図録:なし

名称:出張!おもしろ同人誌バザールin東急ハンズ新宿店
場所:東急ハンズ新宿店
入場料:なし
期間:2021.3.21〜3.29
見学日:3.28
図録:なし

当日は雨模様。雨で気分は削がれていたので、一旦は行動中止にしたもの。ところがどうしても欲しい本が新宿の模索舎にあるという情報があったので、雨をついて移動開始。見事にズブ濡れに。
(そして模索舎は開店しておらず無念の敗退。曜日・時間ともに開店のはずなのだが…。)

 
 
 
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戦利品はこちら。

 
 
 
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詳細版も

 
 
 
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ZINE/情報系同人誌を読んでいると、製作する意欲がかき立てられますな。あとは俺の計画性のなさが問題になるわけで…。本当になんとかしなくては。

それから、A3八つ折りスタイルのZINE。結構イケてるんではと思ったよ。地図と解説の組み合わせるとか。なんかできそうな気が。

基本、この手の本は一期一会。あとは面白がっているステキな作り手にお布施(物理的=金銭・精神的=購入&感想をSNSで)すべきだと思っている。だから、多少無理しても購入したい。

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