Days on the Rove

好事家風情の日常。読書と散歩と少々の酒。

さようなら、どくとるマンボウ

北杜夫さん死去=「楡家の人びと」「どくとるマンボウ」

2011年10月26日10時16分

大河小説「楡家の人びと」やユーモアあふれるエッセー「どくとるマンボウ」シリーズなどで知られる作家で元精神科医の北杜夫(きた・もりお、本名斎藤宗吉=さいとう・そうきち)さんが24日死去した。84歳だった。葬儀は近親者で行う。

アララギ派の歌人で精神科病院を経営する斎藤茂吉の次男として東京に生まれた。旧制松本高校時代にトーマス・マンの作品や父茂吉の歌集を読んで文学に心酔。東北大医学部在学中から小説を書き始め、卒業後は慶大病院に勤務の傍ら、同人誌「文芸首都」に参加した。

1958年から59年にかけて水産庁調査船の船医としてアジアから欧州を航海。その体験を記した60年のエッセー「どくとるマンボウ航海記」がベストセラーになった。

同年、ナチスドイツに抵抗して患者を救おうと苦悩する精神科医を描いた「夜と霧の隅で」で芥川賞受賞。斎藤家をモデルに精神科病院一族の歴史を描いた64年の「楡家の人びと」で毎日出版文化賞を受賞。純文学作品の一方で、「怪盗ジバコ」「さびしい王様」などのユーモア小説や「船乗りクプクプの冒険」などの児童文学作品も発表し、若い世代を中心に人気を集めた。

自身のそううつ病(双極性障害)の病状をエッセーで面白おかしくつづったほか、熱烈な阪神タイガースファンとしても知られた。96年から日本芸術院会員。兄は精神科医の故斎藤茂太さん。長女はエッセイストの斎藤由香さん。

via asahi.com

どくとるマンボウこと、北杜夫さんが亡くなりました。
中学生時代に理科の教師に勧められたのがきっかけで、北杜夫の本を読むようになって以来のファンでした。
たぶん、自分の読書好きの傾向をはっきりと認識したのは、それ以来のことだと思います。

人間味溢れるユーモア、そこはかとないシニカルな視線、理知的な文章。加えて小説の詩情溢れる美しい文章に、幾度となく戦慄を覚えたことを思いだします。

もしかすると、自分の文章には若干、北杜夫さんの影響があるかも知れません。いや、あると勝手に思っています。
いや、むしろ昭和軽薄体などのその後のエッセイスト達も、北杜夫さんの影響があるのかも知れません。

最後に好きな作品をいくつか挙げておく。

どくとるマンボウ航海記、昆虫記。〜自分にとっての最初のマンボウ物。
船乗りクプクプの冒険。〜童話にして、メタ構造の面白さを知った作品。
幽霊・木精〜叙情的な青春譚。当初は続編の構想も…。残念。
まんぼう周遊券〜阿川弘之の『南蛮阿房列車』の北杜夫さんからの視点。
茂吉彷徨〜父親、茂吉の傑作評伝。
輝ける蒼き空の下で〜南米移民についての著作。移民=棄民との視点を得た本。
白きたおやかな山〜山岳小説。

などなど…

北杜夫さん、今まで素敵な書籍をありがとうございました。そして、どうか安らかにお眠りください。

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