Days on the Rove

好事家風情の日常。読書と散歩と少々の酒。

「野球の通説を数学で解明する」への疑問

(2009/07/06追記、このエントリーへの検索がたびたびあるようなので追記訂正を行いました。)

こんな記事が朝日新聞に載っていました。

プロ野球の「通説」は錯覚? 名大教授ら846試合分析~Asahi.com

面白いと思いつつも、ちょっと気になる点があるので反論。


●「チャンスを逃すとピンチあり」

走者が二塁以上に進んだチャンスがあったのに得点できなかった場合、その球団が直後の守備回に失点する確率は26.4%(平均失点0.492点)だった。全体の平均(26.4%、0.495点)とはほとんど差がなかった。

確かに大差ないですね。走者二塁でチャンスというのはヒット一本で(も)本塁に戻れるからということなのでしょうね。

この問題を考察するときには比較しなければいけない対象は

「チャンス」=走者が二塁以上に進んだとき
としたときに、

「チャンス」あり・得点なし
「チャンス」あり・得点あり
という二つの状況の直後の守備回に失点する確率に差があるのかどうかが問題になると思います。

その上で、
「チャンス」なし・得点なし
「チャンス」なし・得点あり
とか
1イニングの得点確率や「チャンス」に関係のない「得点あり」「得点なし」での失点確率まで調べてみても良さそうに思います。

また、「チャンス」は本当に「チャンス」なのか?を調べてもいいですね。
「そのイニングの先頭走者の最終塁別での得点確率」に違いがあるのかどうか、気になります

●「大量得点をした次の試合は打てない」

 全試合のうち、10点以上の大量点があったのは145試合だった。その球団は次の試合でも平均4.87点を取っていて、全試合の平均4.43点を上回っていた。

これも微妙な考察だなあ。10点を持って大量点とする定義はどこから?
全試合の平均得点が4.43点ならそれの以上(もしくはx倍以上の)の得点を大量得点としてみないとおかしい気がします。
こういう考察するならx dayの得点をαとしたときのx+1 dayの平均得点βが、閾値k,(k>=4.33)がα>>kの時にβ<4.33というとなるような相関関係が見られるか否か提示しないと駄目じゃないかな....

●無死満塁は意外と点が取れない

 無死満塁の場合の得点確率は84.5%、平均得点は2.399点ですべての状況の中で最多だった。

「すべての状況」とはアウト数とランナー位置のすべての組み合わせを調べたのでしょうか?
(アウト数別の満塁の状況での結果だけを調べたのではないでしょうね?)
またこのデータはイニング単位なのか打席単位なのか?
(確率・平均得点から察するところイニング単位での結果なのでしょうね)
データの取り方が恣意的になっていないか(と、正確に収集できるのか)疑問があります。

得点確率(1点を取る確率)は無死満塁が高くなる(だろう)とは想像できます。(2死満塁より点は取りやすい)
また、平均得点も無死満塁が一番高いと想像できます。(2死満塁より点数は取りやすい)
しかし、この通説のポイントは「意外と」なのではないでしょうか?

しかし、ここで問題にされるべきはそれぞれの得点の期待値における得点確率(すなわち得点効率?)ではないでしょうか?
無死満塁で1点しか取れない確率と2点、3点と取る確率にあまり差が見られないのかどうかを検証すべきではなかったのでしょうか。

また、アウト数とランナー位置のすべての組み合わせで、得点別得点効率も見てみたいですね。
2死1,3塁で敬遠する作戦が妥当なのか、検証してみたいです。


7回裏は得点チャンス(ラッキーセブン)

実際に得点が入る確率となると26.2%(平均得点0.481点)で1〜12回裏の平均(26.9%、0.506点)以下。むしろ6回裏(30.7%、0.662点)の方が高く、必ずしも「ラッキーセブン」にはなっていなかった。

これはメジャーのセブンイニングストレッチの意訳ですからね。
一つのセレモニーで客商売の一環ですからね。
おそらく有意差は出ないでしょうね。(逆に出たら無意識の感覚で感じ取っている事になります!それはそれですごいけれど)
ただし1〜12回で計算していて9回までではないところに若干の懸念がありますが.....

考察する際のデータの取り方とデータの解釈の仕方が粗雑だと思います。
やりかた次第では反対の証明も可能になってしまうかもしれません。

ん?あっ、はい。自分、理系ですから。
理屈っぽいのではありません。事実の中にある真実こそ大切なのです!

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