2月の読了数は5件。まあまあかな。
帯の「異世界へのゲートウェイ」という言葉がしっくりときた。各章では様々な暗渠の見方を示し、その理論と実践を教えてくれる。そして最終章で試し切りに供されたのは「横浜」と。
なんていうか、もう「暗渠とは」を語る必要はなくて、暗渠から始める(読み解く)ものが重要になっているような気がしたかな。
そこから解放されて、著者が気ままに暗渠で遊んでいるのを眺めさせて頂いているような気分になりました。
井上円了とはちがうスタンスの化物会。自由人を含む知のネットワークのそれ。歴史学・文化人類学・民俗学・民族学…。文学者や芸能関係者の間で流行した怪談会…。ひょっとすると、落語家の怪談や日本画での幽霊画も大きなネットワークの一部なのかもしれないな。(未検証)
大学(院?)論文をもとに同人誌化したもの。こういうやり方もあるんだな。
この化物会から広がる夢想・妄想が怪談会や落語での怪談ということなんだけど、ちょっと調べてみたいかな。
坪内さんの最後の文章に涙。そして編集後記にさらに涙。
特集の文学館に鎌倉文学館の小田島さんの対談が。(これは結構必読)
特集の文学館に鎌倉文学館の小田島さんの対談が。(これは結構必読)
名簿部分はあっさりと眺めただけだが、森銑三・斎藤昌三・岩佐東一郎(!)に膝を打つ。永井荷風や大佛次郎など。鳥居龍蔵の名も。
岩佐東一郎なんて戦中に蔵書を焼かれてしまうわけで、いろいろ考えてしまうわけで。
これは未読だった横浜を舞台にした作品。
古い横浜の一断片が見えるのではないか。あとは吉川英治の作品性のそれに、ある定規を当ててみたくなる。吉川英治作品をもうちょっと読んでみたい。