Days on the Rove

好事家風情の日常。読書と散歩と少々の酒。

[演奏会]8/12 ERDE OPERA管弦楽団第6回演奏会 プッチーニ 歌劇『蝶々夫人』

名:ERDE OPERA管弦楽団第6回演奏会 プッチーニ 歌劇『蝶々夫人』抜粋
場所:大田区民プラザ 大ホール(東京都大田区・下丸子駅)
会期:2012/08/12
入場料:¥1000
見学日:8/12
図録:チラシとリーフレットあり

友人が参加している楽団の演奏会。
クラシック(当然、オペラも)の体験・素養が無い自分だが、せっかくの機会なので見てきました。

以下感想。(とはいえ演奏の質などは語りません。むしろ語れません。)

以前、NHKで放映していたの岡本喬生の蝶々夫人のドキュメンタリーをみていて良かった。
基礎知識があるとないとでは、違ってくるものがある。必須とはいわないがあると便利。また、その演じ方の違い、(今回の)抜粋された部分、されなかった部分というのを知ることができたのもよかったかな。

アリアという表現形式。別の場所で「寅さんのアリア」というのを知っていたが、今回の演奏会でのアリアを聴いて、納得。寅さんのも同じようなものだ。

ちょっとだけ例を。

「リリーの夢をかなえてやるのよ。例えばどっか一流劇場、歌舞伎座とか国際劇場とか。そんなところを一日中借り切ってよ、あいつに好きなだけ歌を歌わしてやりてえのよ」
「そんなふうにできたら、リリーさん喜ぶだろうね」
「ベルが鳴る、場内がスーッと暗くなるな。-みなさん、大変長らくをばお待たせいたしました。ただいまより歌姫リリー松岡ショーの開幕であります。静かに緞帳が上がるよ。スポットライトがパーッと当たってね、そこに真っ白けなドレスを着たリリーがすっと立っている。いい女だよ、え。それでなくたって、あいつは容姿はいいしさ、目だってパチッとしているから派手なんですよ、ね。ザワザワザワザワザワ。「出た!」「綺麗ねえ!」「いい女だなあ」「あ、リリー、待ってました!」「日本一!」。やがてリリーの歌が始まる。♪一人酒場で飲む酒は・・・場内はシーンと水を打ったようだよ。みんな聞き入っているからな。お客は泣いてますよ。リリーの歌は悲しいもんねえ。やがて歌が終わる。花束、テープ、紙吹雪。ワーッと割れるような拍手喝采だよ。あいつはきっと泣くな。あの大きな目に涙がいっぱい溜まってよ、いくら気の強いあいつだってきっと泣くよ」

これと、蝶々のピンカートンが戻ってくる様子(の妄想)を語る様子がそっくりだ。アリアを自分の中で腑に落ちた(捉えた)瞬間だった。

…別件だが「寅さんの街場の哲学・寅さんのSTREETWISE性」もまとめたいんだよね。こんなのぐっとくるもんね。

ああ、いい女だなあ、と思う。その次には、話がしたいなあ、と思う。ね。その次には、もうちょっと長くそばにいたいなあ、と思う。そのうちこう、なんか気分が柔らかくなってさ、ああもうこの人を幸せにしたいなあと思う。もうこの人のためだったら命なんかいらない、俺死んじゃってもいい、そう思う。それが愛ってもんじゃないかい。

…すいません。これは別のお話。

蝶々夫人のストーリーは、蝶々の高貴さ、信念性がテーマだとずっと思っていた。
しかし、観れば観るほどこの内容は日本人に受容される理由がわからない。
日本が舞台というだけでは、納得できないのだけど…。
まあ、これは今後の課題。

あとはCD・DVD・TVで観る・聴くのとは大違いということかな、やはり『生』の素晴らしさ。体験の質が違いますね。
こういう体験をできた、せっかくの機会なので文楽や歌舞伎といった日本の伝統芸能についても体験していこうと深く心に約しました。

最後に天真爛漫な名子役がいたことを記しておきます。最後は観客をすべて引きつけたものなぁw

お誘い頂いて感謝。次の機会も是非に。

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