Days on the Rove

好事家風情の日常。読書と散歩と少々の酒。

20160306植物図譜・建築・石の1日。

名称:薬草の博物誌 -森野旧薬園と江戸の植物図譜-展
場所:LIXILギャラリー東京(東京・京橋)
会期:3.3〜5.21
入場料:無料
見学日:3.6
図録:あり。購入。¥1944

江戸時代の植物画。西洋の博物学のそれとは違い、極めて日本画的な美しさ。
絵画と本草学の相互作用も感じさせる。
多くの植物画を見ていると、真を写す(必要がある)植物図譜・博物画の中に、絵師の創作性すら感じてくるようになる、不思議。
日本の近代植物学の父、牧野富太郎も子供時代は本草学に親しんだというのが面白い。

いつもながら、LIXILギャラリーは面白い展示をするなあ。眼福でした。

その後、一階のLIXILブックギャラリーの「ほんとの本」(3/29で終了)を覗く。
本(が抱える問題)に関する本を集めたブックフェア。
テーブルふたつ分かな?そこに集められた本たちの素晴らしさよ。
堪能しました。(購入したのは、「ほんとの本」に並べられた本ではなく、LIXILの図録を2冊ですがw)

銀座の歩行者天国をブラブラ。書店・教文館へ。
このキリスト教系書店の建物を設計したのが、アントニン・レーモンドという建築家なのだ。

名称:教文館創業130年記念企画 アントニン・レーモンド展
場所:教文館
会期:1.22〜3.10
入場料:¥500
見学日:3.6
図録:あり。購入。¥300

設計図と建築模型が中心の展示。
設計したビルが安定感があるのに対し、教会・礼拝堂はひとりの建築家とは思えない多様性(変化?)がある。見れば見るほど不思議な気分に。
群馬音楽センター(群馬交響楽団の本拠地)を設計したレーモンドと井上房一郎(群馬交響楽団のスポンサー)の関係。加えていえば、井上房一郎はブルーノ・タウトとも交流があったわけで、いろいろ見えてくる物があるような気がする。地方の資産家(かつ文化的貢献をする)ってのは各地にいるものなんだな。(秋田のアレとか)
教文館、いいビルなので見にいくといいと思うよ。

横浜へ移動。今日のメインイベント。

名称:石展 -かながわの歴史を彩った石の文化-
場所:神奈川県立歴史博物館
会期:2.6〜3.27
入場料:¥900
見学日:3.6
図録:あり、購入、¥900

かながわの石を自然史的、人文史的にひもとく展示。
歴史博物館と生命の星・地球博物館の共同企画。って、昔の分離前の県立博物館を思わせるではないですか!
県内で見られる石の展示からスタート。
地層はともかく、岩石・鉱物系はよくわからないね。気になったのはトーナル石。あれ、どっかで見たことあるような…
県内から産出する石の石切の道具や石切場の様子。
古代に(道具として利用した)石から、中世・近世の生活道具、信仰、近現代の建築まで。かなりの広範囲。

みんな大好き板碑の展示も。
真言律宗(忍性=極楽寺)と石工集団の関係。後北条氏による石工支配。相州堅石と浦賀や横浜のドック。白丁場石が赤坂離宮や日本銀行。さらには横浜正金銀行本店(要は県立歴史博物館の建物)にも使われていたり…嗚呼、情報過多。

一日がかりで咀嚼すべきだった…。ざっくり見るだけではもったいない。
せめて図録を眺めて咀嚼しなおしています。本当にもったいないことをした展示だった。

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