名称:ジャック=アンリ・ラルティーグ 幸せの瞬間をつかまえて
場所:埼玉県立近代美術館
会期:4/5〜5/22
入場料:¥1000
見学日:5/3
図録:あり、購入、¥2400*
ラルティーグは、20世紀初頭のフランスのアマチュア写真家。 その作品は、写真の勃興期ながら評価はたかい。 アート性のある写真から極めて日常的なスナップ写真まで多種多様である。そこがアマチュア写真家と呼ばれる理由かな。
自分がラルティーグの存在を知ったのは、90年台前半のセゾン美術館の展示だったように思う。リブロポートから出版されていた写真集が結構な値段で入手を断念したのを覚えている。
いわゆるベルエポックと呼ばれる時代で、裕福な家庭環境(子供にカメラを買い与えられるような!)だからこその部分もあるのだが、その時代の幸福感も伝わってくるような写真である。失われた郷愁というのも、あるのかもしれない。
子供時代の写真。
いかにも子供が撮るような写真、タイトルの名付け方。
飛行機への憧れ、自動車への興味(オートレース)。 家族ぐるみでグライダーを作ったりするなんて!
家族や親戚を俳優として、自分で撮った映画。
実際の伯父さん。ぼくのおじさん的人物。こういう人が少年時代にいると、何かが違うのだろうなぁ。
子供の時に買い与えられたカメラ(と同じもの)の展示。ゴーモン社のブロックノートというクラップカメラ(cf.)。たぶん、印画紙でもフィルムでもなく、乾板式?
写真単体だけではなく、アルバムの存在・展示。アルバムは写真作品ではなく、個人的な記録故の面白さ。
日記帳。写真のデータ、撮影方法なども記載。
初期の映画撮影のスチールカメラマンだったことも。女優の写真やピカソ(!)の写真。 オートクローム、リバーサルフィルム(戦後、アメリカで再発見?されて以降のもの) 細密感や発色の違いがかなりある。オートクロームがいい感じだが、今の技術では再現は不可能なのだろうなぁ。
とにかく見られてよかった。20年来の願いが叶いました。