Days on the Rove

好事家風情の日常。読書と散歩と少々の酒。

ブラ猫綱

より大きな地図で アースダイブ麻布 を表示

最近マイブーム化しているテレビ番組「ブラタモリ
11/12に放送の三田・麻布編に猫綱的視点を加えようというなんとも不遜なエントリーです。

さてこの放送で取り上げられたものの一つにガマ池があります。
麻布七不思議という伝説の一つでガマが大火で焼け落ちそうになった屋敷をガマが守ったというふしぎなお話があります。
その舞台になったガマ池がいまでも東京のど真ん中に(小さくはなれど)残っているという話をブラタモリで取り上げていました。

さて、そのガマ池は現在マンションに取り囲まれていて、マンションの住民でない限り我々がその姿を見ることは出来ません。
が、Google Mapでならその姿を見ることが出来ます。

地図を拡大してみると池の中には島が浮かび、また小さな橋が渡っているのが見えますね。

よくもまあ、こんなところに涌き水があるものだ。と思ったあなた!
この近辺は以外と涌き水が多いのですよ!

さて先ほどの地図を別ウィンドウで表示してみてください。
ガマ池の周辺の池があるところにピンが打ってあります。
これらは

  • テレビ朝日の本社ビル横にある旧毛利家庭園の池
  • 有栖川宮記念公園の中の池(陸奥盛岡藩下屋敷)
  • 都会のど真ん中にある釣り堀、衆楽園の池

です。(他にも地図を丹念に見ていくと怪しいものはありますが、割愛します)

さてこうしてみるとこの麻布のこの近辺はそれなりに水場の多い場所である事がわかります。
しかしこの水はいったいどこから来たものなのでしょうか?
ではもう一度先ほどの地図を見てください。

青い線は古川という河川、ピンク色の線は標高10mの等高線、紫色の線はこのあたりの有名な坂道です。
(手でプロットしたので誤差があります)

古川はいくつかの源流はありますが、その中の一つが渋谷川です。この川は三田から海へと流れていきます。
ちょうどピンクの線をを回り込むように古川が流れていることがわかりますね。
また、ピンクの線をまたぐように坂道が存在していることもわかります。
これらの事から推察できるのは「ピンクの線は台地である」という事です。
麻布近辺はU字型に南方向に向かう台地であることになるわけです。

ここでもう一度ピンクの線と湧水のある位置を確認してみましょう。
....だいたいピンク色の線に沿ってあるように見えませんか?
ということは.....

麻布近辺の台地に降った雨はそのまま地下を流れて河川に流れ込まず、標高10m前後にある不透水層により台地の周辺部から涌き水となる。

という事になりそうですね。
そこでもう一度地図を見てください。
ピンクの線の左下部分にもピンを打ってあります。
ここはフランス大使館の中にあるプールらしきものです。
等高線の位置からするとこれも元は大名庭園の池だったように見えてきませんか?
実は未検証なのです(汗)いろいろ調べてみたのですが、いまだにわかりません(汗)どなたか資料をお持ちの方がいたら、ご教授ください!

と、若干尻切れトンボの結末になりました(汗)が、お口直しに素敵な地図をご紹介。
地図・地理系出版社の之潮のブログにガマ池の記事当時の地図が掲載されていました。この地図を見ると以前のガマ池の大きさや、小さな谷間にも池状のものが点在している事がわかります。推察が的を得ていたようでちょっとうれしいです(爆)
また、記事を読むとこの当時は金魚の養殖場だったようですね!今の麻布界隈からすると想像できないほどの、なんとものんびりとした風景が広がっていたのでしょうね。

2009/11/24追記

東京の水 2005 Revisitedというブログに古川関連の涌水、池、河川についての記事がまとまってありました。記事を元に実地調査してみようと思っています。

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