思い立って土浦へ。
つちうら古書倶楽部という大型古書店に行ってみたかったのが一番の理由。
つちうら古書倶楽部の解説なら、デイリーポータルの記事が詳しい。
準備に手間取って、品川駅からの常磐線特別快速にギリギリ乗換可能な列車に乗るハメに。しかも途中線路支障で緊急停止。結果、品川乗換の自信がなくて、新橋から乗車するというアクロバティックな事態に。
グリーン車を利用するのは大人の特権か。むしろ大人の事情かも知れんがw
新橋から1時間強で土浦に到着。意外と近い、という印象。
元パチンコ屋を改装した売り場。22店もの古書店の合同ということで、とにかく広い。
古書店の集合体(島単位で各店舗)という体なので、ジャンル毎に分類されていない。ゆえに非常に探しにくい。各島を巡り、じっくり時間を掛けて掘り出していく…というスタイルで挑むとよいと思う。
個人的には、銀花、アルプ、東京人、平凡社の雑誌・太陽、芸術新潮があったのがうれしい。文庫(中公・ちくま・講談社学芸・講談社文芸、現代教養、カラーブックス)、ライブラリー判などはそれなり。ユリイカ、広告批評、本の雑誌、彷書月刊は姿を見かけず。
デイリーポータルの記事では鉄道関係も多い様な話だったが、それほどでもなかったな。これは鉄道趣味の人がイナゴった可能性が高いとみた。
郷土史は茨城県が中心(これはしかたがないか)。古地図、観光関係はあるものの、分類されていないので、行き当たりばったりになってしまうか。
辛い口ぶりで書いているが、もっと時間を掛けて本を探したい!と思わされた。目当てをつけて訪ねる古書店ではなく、掘り出し物があるかもしれないと尋ねる古書店なのだ、と。
というわけで戦利品を。
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平凡社の雑誌・太陽。俺が太陽をちゃんと見るようになったのは、休刊する前の数年なので、このころのは初見に近い。荒俣宏さんの編集っぽい雰囲気がプンプンする特集。
マイブームの白洲正子さんの本は、読みたかった本。他の探求書は、ちょっと状態が悪かったので購入せず。
澁澤龍彦の小説は、澁澤龍彦にはまっていた頃にはすでに絶版(福武書店だからね…)だったもの。当時、図書館にも高丘親王航海記以外は蔵書されていなかった様な記憶。
常盤山文庫のパンフは、鎌倉にあったその場所がどんな雰囲気なのか知りたくて購入。
常盤山文庫は菅原通濟という実業家?のコレクション。まあ、いろいろ毀誉褒貶ある人なのだが、検索すると結構誰でも知っているアレの関係者だったりする人とでもいえばいいのか。
この当時は(〜'80年代ぐらいまで?)鎌倉で一般公開していたのだが、現在はコレクションの一部を他館開催の展覧会に貸し出すというスタイル。
料理屋もあった記憶があったのだが、それは三貴園という名前だったのね…
つちうら古書倶楽部。また機会を得たら訪れたい。
古書店のあとは、土浦の街を少々探索。旧水戸街道という場所と訪れたのだが、そこが最初に目にしたのが…
櫻橋と書かれた橋の親柱!ここも暗渠ですか!(奥に延びる道が旧水戸街道)
帰宅後検索してみたら、近くを流れる桜川という川が、昭和初期まではこのあたりを流れていた模様。その後暗渠化。河川改修で流路が変化。ということらしい。
暗渠を探すという気分でもなく歩いていたので、偶然に出会った暗橋に驚いたなぁ。
旧水戸街道ぞいは、古い建築が多く残っているようで。
こんな風景が広がっている。
一枚目の看板建築は、菓子屋だったようだ。意匠が素晴らしい。営業していたら、突撃するレベル。
二枚目は元商家。現在は観光施設として利用されている。
三枚目はわかりづらいが、奥で街道が鉤の手に曲がっている。手前の商家の塀が石造りなのだが、美しいマーブル模様なのだ。
石の切り出し方を意図的に変えて、配置も意図的に並べてあるという…。
これ、どこの石なんですかね?石を見ても判断できるレベルではないからなぁ…俺。
ただ、この石塀が古いものではなく、昭和〜平成の可能性もあるのではないかとも感じた。
飲み屋街らしき場所も通りかかったのだが、土曜日の昼間ではなんとも閑散として…
地理人さんだったかな。初見の街でもどういう街の構造なのか想像できる(だった?)があったけれど、俺には無理だったな。こんなところが飲み屋街なのか!って感じだったな。
宮本常一のお父さん(世間師)の言葉だったかな。初見の街は高いところから見下ろせ(超訳)みたいな方がしっくりくるかもね。今度実践してみよう。
古書店と川魚料理店と古い街並みと…土浦は面白そうな街と感じた。
また行く機会を作りたいな。
まっすぐに常磐線で帰宅するのもアレで、我孫子で途中下車。成田経由で帰宅。
土浦と成田…どちらのウナギで有名なのに…。我孫子の立ち食いそばで済ますという…