Days on the Rove

好事家風情の日常。読書と散歩と少々の酒。

2023 Best of the Bests

一年の締めくくり。恒例の記事を

書籍

読了は169冊。購入は164冊。¥133084
昨年は157冊、購入は157冊、¥125013。って増えてる…。そんなに読んだ/買ったという実感はないのに…。
イベントなどで安いZINEをまとめ買いするってのはあるかもしれない。イベントの高揚感で自分のたがが外れるように思うのだが、はてさて真偽はいかに。

順不同にて

  • リビエラノート 謎の絵師を探して/Re:謎の絵師を探して(2冊組)RIVIERA

刺激的な一冊(二冊かw)であった。古書店で見つけた広告スクラップから始まる地の冒険。絵師を探すところから始まり、広告史みたいなものまで踏み込んでいくその勇気。感服です。

Twitter発の個人出版。物事を探求していく様が面白い。こういう知的な興奮を得られるのが好きなのだな、俺。

  • 百貨店の歴史 年表で見る夢と憧れの建築

高島屋史料館の「百貨店展」の大年表を刊行したもの。支店の閉館で記録してあるのはいろいろ特筆すべきではないかな。

これもとある企画展示の壁に張り出された年表を冊子化したものなので、本と呼んでいいのかは悩むところではある。まあ、書店で購入したのでいいのだ。
百貨店を通してみる文化、歴史、世相、流行、交通の変化の実態を捉えることがどれだけできるだろうか。この年表からまだまだ読み解けるものはあると思うよね。

  • 花の雨が降る ROCAエピソード集 [Kindle]いしいひさいち

サウダージ。その切なさがより一層。作者のみずみずしい叙情性に心打たれる。最後の一点カラーが…

昨年のROCAに続く作品。ただの続編ではなくエピソード集。
朝日新聞の連載漫画の中にときどき登場していたROCAだが、こういう形でまとまるとはね。
どちらかといえば、ギャグ/風刺漫画と思われているいしいひさいちさんの叙情性よ。

 

  • 「暗橋」で楽しむ東京さんぽ: 暗渠にかかる橋から見る街 [Kindle]高山英男・吉村生

おなじみ暗渠マニアックスのおふたりによる書籍。暗渠にかかっている橋跡を通して暗渠や街の姿を眺めていくという構成。
暗渠マニアックスのおふたりは、一点集中突破多面展開という感じだと思う。比べて自分は、そもそものフォーカスが甘いのだなぁ。来年はもっと歩かなくては。

  • 八王子に隕ちた星: 古文書で探る忘れられた隕石 森融

様々な古文書から掘り起こされる隕石の実態。面白かった〜。こういう知的ミステリみたいなのは本当に面白い。
また様々な古文書が翻刻されていないと当たりをつけることすらできないだろうから、その苦労がしのばれる。

文献から掘り起こした天文学的事象。その事象に目が向きがちだけど、様々な文献をディグる手間や手法を考えると書誌学的な方面からももっと評価されていいように思う。

ほか、今年読んだ連載中(続刊あり)の漫画で木になったものをいくつか

 

 

 

 

小説はほとんど読めなかったな。古いお気に入りの寡作作家ものがある程度。
あと、見仏記シリーズはよく読んだと思う。ベストにするほどではないが。

企画展・イベント

(トークイベントやイベント、配信は除外しておく)

第1位
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山口晃 ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン
アーティゾン美術館(11月)

www.artizon.museum

 

nekotuna.hatenadiary.jp

見世物と美術の関係や、アートの身体性、世相との関係、作品の構築・脱構築ぶりなど、山口晃の頭の中を十二分に見せられた感じがする。その全貌は決して俺には理解できていないのだろうが。

第2位
モールの想像力-ショッピングモールはユートピアだ
高島屋史料館TOKYO(3月、6月)

www.takashimaya.co.jp

 

nekotuna.hatenadiary.jp

 

nekotuna.hatenadiary.jp

「百貨店の歴史」に続く展示が「モールの想像力」。それだけでも十二分に面白い発想。それを百貨店のビッグネームがやってしまうところがなんとも面白いし、歯がゆさもある。
展示自体はモールが登場する作品群とそれの意味を考えさせる長い文章によって構成されている。ゆえにいろいろな仕掛けを作っていたのだと、あとから気がついた。
自分が体験しているのは百貨店と総合スーパーであって、ショッピングモール的なものはずっと後のように思う。近所にあったダイエーだって、モールを意識しているけれど、たかだか総合スーパーに過ぎなかったと思う。
故にそういう大衆消費文化的な構造としてのモールを意識するようになったのはごく最近。まあ、モールで働いていた時期もあったけれど、当時そういう意識はなかったな。

第3位
みちのくいとしい仏たち
東京ステーションギャラリー(12月)

みちのく いとしい仏たち

(12月の感想はまだ。今後記載予定)

民衆の祈りの形を知りたければ、一見の価値はある。

今年のDNV(Do Not Visit exhibition)

「暗橋」で楽しむ平井さんぽ ~平井の本棚・半径3㎞の新たな出会い展にも行けませんでしたね。コロナだったかな?

歌舞伎、4回5公演。
映画×4(シネマ歌舞伎)
舞台×1、ライブ×1(スタッフ)、トークイベント×2
一箱古本市スタッフ×1
スポーツ観戦×1(ラグビー)
音楽、CD×8、iTunesでアルバム×2、シングル×5。

多いのか少ないのか。昔よりは動けなくなっているような気もするが、新しいことにも挑戦できた年だったかな。

来年はより歩き、より好奇心で行きたいと思います。

 

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