Days on the Rove

好事家風情の日常。読書と散歩と少々の酒。

赤瀬川原平USTに思うこと

この記事は閉鎖されたposterous(cf. wikipedia)のアーカイブをTumblrに移行させたものを、さらにはてなブログに保存した物である。(2021-07-18記)

先週土曜日に行われた赤瀬川原平のトークイベントのUSTakasegawa_talk on USTREAMをリアルタイムで眺めていた。
こういうものがUSTされる時代なんて、僕らはなんて素敵な時代を生きているのだろうと感じているのはまた別の話なのでさておき(笑)。 

ustを見ていて改めて感じたのは、赤瀬川原平さんは概念のもてあそび方がうまいということ。
視点をずらして見た概念を色々肉付けして楽しんでいる内にどんどん仲間やフォロワーが集まっていく。そしてその概念が勝手に大きくなって自ら転がり出すようになる。
そういった概念(しかも視点が少し普通とはズレているわけだ)を見つけ出し、
その概念を味わうかのように想像を膨らませて大きくして、
仲間やフォロワーを巻き込んでいく。
そのどれもを赤瀬川さんは愉しんでいるわけだ。

(蛇足だが、こういった概念を膨らませるとき赤瀬川さんは既成の概念をあえて使う事が多い。ex.櫻画報における左翼用語。トマソンにおける不動産用語など。こういった既成概念をズラすのは赤瀬川さんが現代芸術家であった事と関係あるのかもしれない。ここいらもあらためて論じて見たい。) 

そういった楽しみ方がトークイベントでも昔語りの中にも如実にでていたと思う。

ところで現代、僕の中でそういった要素を感じさせる人が何人かいる。
例えばGPS地上絵師の石川初さん(@hajimebs)や団地マニアの大山顕さん(@sosai)だ。 
石川さんは宮本常一ではないかという気もするが、まあ、いずれにせよ印象である。

かえりみて自分はどうだろう?
何かを生み出せるような、発見・想像・回転があるのだろうか? 

せめてフォロワー(の一人)として回転させれればよいのだが。

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