Days on the Rove

好事家風情の日常。読書と散歩と少々の酒。

Event Review 2021/10

名称:令和3年10月歌舞伎公演『通し狂言 伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)』
場所:国立劇場
入場料:¥3500(3等席)
期間:10/02〜10/26
見学日:10/18
図録:購入。¥1000だったか。

二度目の歌舞伎鑑賞。今回は国立劇場。3階席とはいえ、花道も見やすいところ。ただし、大男には小さい席でつらかったな。
くわえて当日は大雨。やはり雨男だな、俺。大事な時に雨を降らせる能力…

実際の殺人事件を元に妖刀を巡る因縁話。『“観光地”伊勢を舞台に仕立てたご当地サスペンスドラマ』と解説してあるサイトがあったが、さもありなん。伊勢の風物、夫婦岩に昇る朝日、伊勢音頭、ドリフのコントのようなベタな笑いを入れた一幕と妖刀との因縁で人を殺しまくる第二幕との落差に驚く。

遊女お鹿の深情け(普段は女形をやらない俳優に演じさせるのはなるほど、と。個人的には志村けんとコントをしている柄本明がちらついたw)と仲居万野の憎々しさ。借金の言いがかりと疑惑をのらりくらりとかわす万野、そしてそれをはやし立てる同部屋の相客(じつは悪漢)、さらには相思相愛の遊女・お紺からの愛想づかし。恥辱と逆上に震えながら席を立つ貢の姿。いろいろ自分を重ねて見たくもあり。

妖刀に操られ、悪漢どもを切り倒したところで、遊女お紺と従者・喜助によって正気に戻り、旧主人筋からの依頼で探していた刀(貢にとっては因縁の妖刀)を発見したことでめでたしと終わる。

…なんとも荒唐無稽なお話しなのだが、みている分には楽しめたよ。

ロビーには劇中に出てくる刀「青江下坂」のモデルになった「葵下坂」と鑑定書である付紙も展示してあって、なかなかの演出であった。

観劇前にみた付属の伝統芸能情報館の展示、企画展示「舞台の花鳥風月―装いの美―」もなかなかの見応え。花柳章太郎のコレクションがよかったな。趣味のいい人で自らデザインもしてしまう人。武蔵野文様蒔絵櫛がツボだった。武蔵野紋様…。まさに『武藏野は月の入るべき山もなし、草より出でて草にこそ入れ』の世界。

観劇だけでお腹一杯になって、予定をキャンセルして帰船。フナラシで直会。
文楽や講談、落語(というか寄席)にも行きたいね。

名称:横浜×水路上観察入門展 cf. cf.
場所:星羊社 stockroom NOGE
入場料:無料
期間:10/17~11/27 
見学日:10/29
図録:パンフあり

 
 
 
 
 
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これらの感想に尽きてしまう。広範囲の現地調査と新聞などの資料の掘り起こし振りに震えるしかない。こんな展示を見ていると、自分は雰囲気暗渠マニアでしかないと、眼前に刀を突きつけられた気分になるのだ。
まあ、自分は自分なりの暗渠愛を作っていく・語っていくしかない、好奇心の趣くままに…。

そうそう、会場では過去に作成した自分の薄い本(語弊)よこはま暗渠散歩猫綱編(星羊社編集・暗渠マニアックス寄稿付き)という感謝しかないコピー本が販売されているはず。

くわえて後半から吉田新田暗渠手ぬぐいが出版?されるので、これを楽しみに再訪したい。

 
 
 
 
 
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この機会に是非。

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