Days on the Rove

好事家風情の日常。読書と散歩と少々の酒。

Event Review 2023/07

名称:みわたす絶景 名所絵×鳥瞰図の魅力
場所:藤沢市藤澤浮世絵館
入場料:無料
期間:2023/04/29〜07/02
見学日:2023/07/02
図録:なし

藤沢浮世絵館は個別のURLの貼りようがない…なんとかして欲しい。展示のアーカイブも残さないものなぁ。

またしても最終日の見学。目当ては吉田初三郎の鳥瞰図だが、名所絵のなかでは魚屋北渓の作品が良かった。結構五雲亭貞秀の作品の多く展示されていて眼福(歌川貞秀と記載されると、一瞬反応できないがw)。

鳥瞰図(旅行絵図)はその絵図だけではなく、表紙絵も展示してあったのが良かったな。すべてが初三郎の手になるものとは限らないのだろうが、人物画などもあった。

その旅行絵図のコピーを実際に冊子上にしたものが手に取れるようになっていて、これは良かった。実際の雰囲気が伝わってくるものね。
ただ新書大ぐらいのサイズなので、細かい絵図は見とれないのが残念。まあ、観光案内図なんて、そういうものなのだろうが。

名称:国芳×芳幾×芳年
場所:川崎浮世絵ギャラリー
入場料:¥500
期間:2023/06/03〜07/09:07/15〜08/20
見学日:2023/07/02
図録:なし

辻堂のあとは上り東海道線で川崎へ。

国芳とその門下ふたりに焦点を当てた展示。それぞれにクセの強い作品だなと。さすが一門。

細かな空摺りをした作品があったのだが、作品名を失念。無念。
とツイートしたら、後日川崎浮世絵ギャラリーから返信があった。

鷺娘ではなく老婆でした…。色を載せずに版木を擦り、紙に立体感をつけるもの。こういうのは、実際に実物を見ないとわからないこと。いい仕事をみることができました。

国芳一門の他の門下生も一部展示。芳藤(おもちゃ絵)や芳員なども。
芳幾の東京日日新聞に掲載の作品がよかった。新聞というよりも、瓦版っぽい雰囲気も含めて。

この日は東白楽にまわり、神奈川古書会館の定期の古本市へ。
戦利品を抱えてほくほく顔で(飲まずに)帰宅。

 

名称:地図を眺める楽しみ~茂木浩介さんの観光案内・沿線案内コレクション~
場所:野田市郷土博物館
入場料:無料
期間:2023/04/29〜07/17
見学日:07/08
図録:なし

SNSで知った観光案内コレクション展。翌日には野田へ向かうという行動の早さ。
こういう行動力が欲しいのよねぇ…。ただ、当日は暑く、若干の雨の雰囲気もあってアレコレ取り沙汰しながらの一日でした。

野田へ向かうなら常磐線柏から野田線が最短ルートなのだが、あえて大宮まわりでの打線を使うという遊びを。いや、乗ったことがなかったからね。

よくよく考えたらコレクターの方の名字が茂木さんなので、キッコーマンと関係のある方(一族)なのかもしれない。
展示自体は初三郎とそのほかの作品も展示。鳥瞰図部分だけではなく、表紙?カバー部分も展示してあるので最近の藤澤浮世絵館の展示で知った知見も楽しめた。
実物はハガキ大のサイズの物が多いので、ローガンズには多少きつい。まあ、これはしょうがないところか。そんなときに限って、単眼鏡を家に置いていくという大失敗。小さなポーチだけで出掛けたので、荷物を減らしたかったのよねぇ…

初三郎の口上部分を展示してあるものはひととおり苦労して(←ローガンズ)読む。各地の鉄道省地方局長に謝辞を述べているのが散見。そういうところからの依頼もあったのだなぁ。

展示後半ではコレクションである5万分の一地図を時代別に比べられるような展示があったりして、地元の人でも面白かったのではないだろうか。

常設展では、土器と鉄道関連資料、醤油関連資料、野田市郷土資料館の設計者山田守のアレコレと、若干の思い出のある利根運河(嗚呼、懐かしの運河駅!)資料で十二分に楽しめた。

山田守に関しては、ガイドによる設計上の工夫についての解説が非常に良かった。展示室のガラスを若干角度をつけて写りこみを防ぐ方法や、二階へ上がる階段の微妙なアールのそれ。階段手摺りのアール具合もちょうすてき。
初期設計が国立劇場のような校倉造りのままで、その意図を感じさせるものだった。キッコーマンから土地と資金の提供があったという話が良かったな。

現在は市民会館として利用されている旧茂木佐平治(キッコーマン創業者のひとり)邸もガイドの解説で細かい造作についての知見を得られて良かった。浴室のタイルもこちらの知見が活かせてよかったな。

自宅からだとそこそこの時間がかかるので、ただ行って帰るだけの小旅行になってしまったが、また訪れてみたいな野田。(秋に茂木本家美術館で川瀬巴水の巡回展があることだし)

そうそう。常設展で外輪船の写真があったんだよ。大正時代まで使われていたらしい。日本国内の舟運で外輪船が使われていたのを知ったのはゴールデンカムイでだけど、本州にもそういうのがあったのだなあ。外輪船のほうが水深が浅くても運行できるのだそうで(ゴールデンカムイからの受け売り)

 

 

ホワイト餃子も食べずに(帰り道で雨に降られたし、地元でもずぶぬれ寸前だった)、東京で展示もみずにまっすぐ帰宅。また、野田に行ってみたいなぁ。キッコーマンの見学とかもしてみたいし。

野田といえば、自分が2010年にまとめたTogetterを思いだす。もう13年にもなるのか…

togetter.com

 

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