Days on the Rove

好事家風情の日常。読書と散歩と少々の酒。

2024 Best of the Bests

一年の締めくくり。恒例の記事2024年版を

書籍

読了は117冊。購入は107冊。¥89701
昨年は169冊。購入は164冊。¥133084
こんなに買っていない/読んでいないの!という感じだが、まあ、今年後半戦のぐだぐだはひどかった。

順不同にて

多面的にあるくことを見つめていく哲学書。

サブタイトルの「歩くことの精神史」にじわじととくるものがある。「人」ではなく「こと」であることに。

6年と10日。2201日掛けてようやく。ここまで自分も歩いてきたのだなと感慨。

時間を掛けて読んだのは、自分の咀嚼力のなさによる。Twitterに感想を書くようになってから(Twitterひとり輪読と自称)、読み進められるようになったかな。
さて、自分の歩かなくては。

南コーカサス3国の魅力のほかに、北コーカサスの政治状況や、ナゴルノ・カラバフ問題についての解説もあり、多層的に理解できた。風景がうつくしいのが良き。そしてオレンジワインに興味が…

うつくしい風景にうっとりすることしきり。しかし、このあたりの歴史を重層的に理解するのは本当に大変そう。

panpanyaさん特集号。じっくりと読む。その論考で言及される漫画を確認するのに忙しかったな。
インタビューのほかに、可児洋介、細馬宏通、春日武彦、イトウユウ、本橋仁各氏の論考が興味深かった。
というか、ひとりの漫画家の論考がこんなに幅があるなんて!それもまた面白い。

ひとりでpanpanyaさんにハマってからどれぐらいになるのかな。まわりに同好の士がいなくて、寂しい思いをしていたら特集号が出るような事態に。
ユリイカは読み応えがありすぎて読むのが大変なのだが、読んだだけの満足感はあるように思う。

いやはや、漫画学よりも面白いではないの。あの時代の空気が流れているような気がするね。

ずっと読みたいと切望して、ようやく手にいれた一冊。こんなに面白い本だったのか。そして本講座の元になったYOUがどんな番組だったか思い出せないのが残念。

林丈二さんの展示で販売されたZINE。それをようやく通販で入手。うれしい。
巻頭の記憶の地図の話が面白い。ああいう、実際の風景と地図がリンクする瞬間は二度は味わえないものなのでね。
それ以外にも様々に歩いた地図。やはり林丈二さんはすんごい人なんだな。
冊子、リソグラフ印刷によるものだが、おもっていた以上に精細で驚いた。学生時代に学校にあったものとはちょっと違うのかねぇ。

行けなかった展示の図録ってのはどうしても手にいれたい物ねぇ。

つげ義春さんが影響を受けたであろう場所についての解説がよい。無論、調布以外の場所についても。
川本三郎さんの論考がよかった。
そしてつげ義春さんが撮った一葉の写真に目が吸い寄せられる。とある絵画のモチーフにもなった場所。あの場所は何か吸い寄せられるものがあるのだろうか。

やはりつげ義春さんの特集はつい買ってしまうね。

キャッチにある『東部戦線ウエスタンアクション』がしっくりくる言葉だった。主人公(の片割れ)トーシャ(トシヤ?)の属性も気になるところ。

いやあ、痛快愉快。次号も期待。

民藝の周辺にあるジャンルが自分の興味のある範囲と多く重なっていることに気がつく。民藝の狭義化(先鋭化)と俗化したの民芸品の問題は本質的な問題かもしれないと感じた。
そして、知のネットワーク(学問と蒐集家が未分化した時代の)とか、交通や通信、出版の近代化との関係性も考えてみたい。
とりあえず、再読しなければならぬ本は結構ありそうだ。
今和次郎とタウト、タウトと秋田(木彫りの秋田犬の話も面白い。あれの起源はどこにあるのか)などを考えていくと、雪調あたりとも繋がっていきそうで、もうひとつのミッシングリンクがありそうな気が。

二冊合わせて。当地ではなかなか入手できない本なのでうれしい。

これほどまでに横浜のゲニウス・ロキを描いた漫画を自分は知らない。果たして横浜らしさとはなんだろうか。ぼんやりと考える。そしてそれが頭から離れないと確信する。

小編だが、これは横浜とは何かを考えさせられる物語だったよ。表紙のふたりの背景にそれをみたい。

地方のスクールカースト下位の高校生たちのZINEを巡る物語。平凡とは違うと思っていた夜郎自大だった自分が夢見た物語が、ここに。
自分の琴線にここまで触れる漫画があったとはね。
次巻も楽しみ。

あるんだなぁ!こういう物語が。俺は何も踏み出せない人だったので、アレだけれど。この閉塞感とそこにいられない人たちの物語はシンパシーを感じる。

panpanya先生の初期同人誌(旅行記)と過去の連載をまとめた物。本当に各冊子を製本テープでまとめただけというスタイル。(よき)
昔は観光地だったが、廃棄された鍾乳洞の記事が面白い。そういうこともあるのね…

ようやく刊行される。待ちに待ってました。
最近panpanyaさんの本を読み返す機会があったのだが、結構変化しているものだなと感じました。

トマトスープ先生の新作。コーカサス地方の複雑な歴史の物語。

トマトスープさんの歴史物語はどれも面白い。どこからこんな話を掘り出してくるのかとおもわされる。現在刊行中の天幕のジャードゥーガル や完結したダンピアのおいしい冒険も今年読んだ本。
ジョージアの物語として読んでいたのだが、作中の地図を見るとアルメニアの領域。ああ、すでにこの時代から錯綜しているのね。

レビューへのリンクは貼らないが、今年最高だったのはこれかな。

 

高校時代からの友人に勧められたもの。
SF漫画でここまでの思弁小説(スペキュラティブ・フィクション。これもSFだ)を展開するとは。うっすらとみえてきた謎が読者の思うような方向に進むのか…。次号が非常に楽しみ。

あとはこのシリーズかな。大河ドラマの光る君へに嵌まったことを友人に話したら、勧められたもの。

当然、子供の頃にコバルト文庫(少女小説)には興味なかったので未見です。読んでみたら非常にいい物語だったと告白しておく。

企画展・イベント

こちらも順不同で。

・江口寿史展ノット・コンプリーテッド@世田谷文学館(1月)

www.setabun.or.jp

感想→Event Review 2024/01 - Days on the Rove

何度も機会をロスした江口寿史の展示にようやく。そして眼福。

アウト・オブ・民藝「民」から芋づる編 MINGEIのB面!@世田谷文化情報生活センター生活工房(8月)

www.setagaya-ldc.net

感想→Event Review 2024/08 - Days on the Rove

民藝の枠に収まらないアウト・オブ・民藝。民俗学や民族学、農民美術(このあたり宮澤賢治的)などがそれになるか。そういう民藝と重なるような重ならないような運動が沢山勃興した時期を多層的に読み解いていく、展示。
基本は年表とその解説なのだが、それだけで十分。

この展示と同時期に下北沢の本屋B&Bで関連ブックフェアを開催してアウト・オブ・民藝本を購入した次第。

このあたりの探求は自分の中で続きそう。通信・出版・交通(旅行)の拡大と関係があると思っているので。

・いざなぎ流のかみ・かたち ー祈りを込めたヒトガタたちー@横浜人形の家(7月)

いざなぎ流のかみ・かたち ー祈りを込めたヒトガタたちー

感想→Event Review 2024/07 - Days on the Rove

いざなぎ流に感じていた禍々しさが、実際の展示を見て人々の切なる願いがそこにあるのだと気がつかされた。小さな展示だけど、よい展示であった。

・ルックバック(映画)(7月)

lookback-anime.com

感想→Event Review 2024/07 - Days on the Rove

原作がWebで発表されていたときから読んでいただけに、まさかアニメに。そしてあれほど原作に忠実でうつくしい絵で仕上がるとは思っていなかった。
よかった。ただ、泣いただけだった。

今年のDNV(Do Not Visit exhibition)

 

歌舞伎(4,6月の3公演)すくねえ!
映画×3(イラブー・イザイホー・ルックバック)
旅行(伊豆大島)
スポーツ観戦なし

ぐらいなものか。

今年は人生最大のトラブルがあり、くわえて高熱×2(インフルエンザ含む)、座骨神経痛、急性胃腸炎など体調の波にもさらされた感が強い。(暑さ・寒さに負けたのもある)

来年は健康を第一に。より歩き、より好奇心で行きたいと思います。

 

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