12月は8冊。
SNSで知り、三巻まとめて一気読み。
ボーイミーツガール譚でありながら、漫画で文学(個々の小説ではない)を語るという構成。文学(言葉)と世界の構造、実在と非実在のありかた、時制の一致/不一致などが語られ、そこにあるのは文学そのものとしか言えない漫画であった。
ボーイミーツガール譚であるところから、春と盆暗を思いだす。この手のに弱いんだな、俺。
漫画の各賞の最後に挙げられる参考作品を主人公たちが解説する別冊が出版されないかな。
民俗学的視点を持った写真家の随筆集。未知の人。無印良品から出版されるような人なのだろう。
なによりも写真が良かった。
再読の理由は、見仏記の二人の掛け合いを目指したいと言われた故。確かにこれが山田五郎では成り立たないのだろうな。
似たようなスタイルなら、日本美術応援団(山下裕二×赤瀬川原平)、観光(中沢新一×細野晴臣)、日本建築集中講義(藤森照信×山口晃)があるが、まあこの二人だよなぁ。
最近知人から、おやじキャンプ飯というyoutubeを教えてもらったのが発端。
主人公役の近藤芳正さん。もともといい役者だった(サンシャインボーイズに客演していた頃)けれど、こんな味のある役者さんになったのだなぁ。
いろいろ裏話を知ることができて満足。
旅の作法でも蘊蓄でもなく、自然体で楽しんでいるという雰囲気が良い。ちょうどよく力が抜けている感じみたいな。それが自然体かw
神保町にあった東洋キネマの話、看板建築の話、今和次郎が食器などのデザインをした話。こういうのを丹念に拾っていくのが良いな。
東京駅が復元される前の東京駅の話もよい。そういえば、あのジュラルミンって廃棄されちゃったのかな。一部でも残しておけば良かったのに。俺にとっては、復元された物より、応急処理された東京駅の方がスマートに見えて好みなのだが。
最後の渋沢栄一の話もよい。今年は大河で渋沢をやっていたからね(ほぼ見てないけれど)。対三菱(日本郵船)の話は知っていたが、その前に対三井(兜町)があったとは。
田園都市計画も然り。ようやく渋沢栄一という人物が見えてきたかな。