Days on the Rove

好事家風情の日常。読書と散歩と少々の酒。

Event Review 2023/12

だいぶ遅れたが、必ず書くと決めているので。とはいえ、ブログを書くには遅すぎる。感想は熱いうちに書け、俺。反省。

名称:なぜか忠臣蔵 藤沢のヒーロー小栗判官と江戸歌舞伎
場所:藤沢市藤澤浮世絵館
入場料:¥0 無料
期間:11/14〜11/29・12/02〜12/17
見学日:2023/12/10
図録:なし

歌舞伎を見にいくことが多く(しかもこの年末は忠臣蔵を楽しんだ)、その縁で忠臣蔵の浮世絵を見学に。
しかし何故に藤沢?

答えは偶然に当日開かれていた公開講座にあった。
一般的に仮名手本忠臣蔵=太平記の人物が登場する。そのままでは御政道批判になりかねないので、別の話の登場人物や物語に仮託して物語を作り上げている。
その中に藤沢ゆかりの小栗判官の物語に仮託したものが数作品ある。故に、企画展タイトル「なぜか忠臣蔵」。なるほどそういう切り口だったのね。

ここからしばらく公開講座での小栗判官の話が続く。
漁師浪七や将棋盤(碁盤?)に乗る話が出てきて、昨年見た當世流小栗判官を思いだす。(猿之助ェ…)
忠臣蔵には3つのtype?があって、仮名手本〜、実際の赤穂事件、忠臣蔵モノ?(なんて説明していたのか忘却。インスパイアものとでもいうか)。なるほどと。先月の歌舞伎の松浦の太鼓は忠臣蔵モノよね…
仮名手本忠臣蔵の各段の説明。ようやく仮名手本忠臣蔵のストーリーを理解。お軽勘平や斧定九郎はそういう風に登場するのね…。斧定九郎は講談の中村仲蔵のイメージしかなかったよ。

youtu.be

芳幾や楊洲周延の絵があって、ちょっと唸った。楊洲周延は町田でちょっと前まで展示があったのだが、見にいくべきだったかな。

早稲田大学の演劇博物館所蔵の仮名手本忠臣蔵の各段の錦絵(初代国貞)。下絵と錦絵が両方とも現存するのは珍しいそうで。後期展では錦絵のみで下絵はパネル展示のみ。見比べると推敲の様子が見えて楽しい。

展示解説では時間オーバーで触れられなかった藤沢・江ノ島ゆかりの歌舞伎。白浪五人男、東海道四谷怪談(東京の四谷が舞台だが、藤沢の四ッ谷と混同されたそうで)、桜姫東文章(ああ、これもそうだった)。シネマ歌舞伎を見にいくべきだったな。

たまたま時間が合って、聴くことができた担当学芸員さんの解説。これのおかげで世界が広がったな。感謝。

浮世絵は風景画のみに興味があって、役者絵・芝居絵はどうも…という感じだったのだが、歌舞伎を見ることによって広がった世界の一端を感じられたかな。

名称:リーグワン 横浜キヤノンイーグルスvsトヨタヴェルブリッツ
場所:日産スタジアム
入場料:¥0(横浜市民招待枠発見料+手数料のみ支払い)
期間:2023/12/16
見学日:2023/12/16
図録:ゲームリーフレット

 

たまたま市民招待枠を発見して応募してみたら、うまく潜り込むことができた。初リーグワン。

当日は滅茶滅茶暑い日で、汗をかく始末。

ハードタックルの音が響くこととか、デクラークのキック練習が相手の位置にほぼ着地する件とか、いつでもボールのそばにデクラークいる感とか(自分の能力を100%フルではなく、20%〜200%まで自在にコントロールしている感とか)、デクラークの体幹の強さとか(って、デクラークばっかりw)

田村の幻のトライ。残念。まさかオフサイドだったとはねえ。

シンビンで一人減った後の終了直前の10分間をよくしのいだなという感じ。お互いハンドリングエラー多すぎだな。

でも面白かった。またみたいと思わせる試合だった。うまく時間が合えば今シーズン中にもう一度ぐらいは行きたいものだ。

名称:みちのくいとしい仏たち
場所:東京ステーションギャラリー
入場料:¥1400
期間:2023/12/02~2024/02/12
見学日:2023/12/17
図録:¥2400

素朴な民間仏の展示だが、かえって切実な祈りを感じさせるいい展示だった。

造形として写実ではない。そのおかしみと切実さを感じるよね。あと、仏像のお顔が東北人のそれでなぁ。そういう所まで含めて愛おしさを感じたよ。

細かい感想はぼちぼちと。ひとまずメモ的に。掘ることのできない細かい造作は筆で描く。こどもの遊び道具だった山犬様。ひとつの像の中の多様性。円空仏とその模倣。表情の庶民性。同一人物による仏像群(その作家性とそれを打ち消そうとする力)。

祈りの力を感じるのと同時に、ポップな展示方法に若干の違和感。映えを狙うことが正しいのかな。切実な祈りをないがしろにしているのではないか。違和感はある。
同じく、図録の角丸もどうなのだろうか。

そういう瑕疵はあるものの、名のある仏師によるものではない民間仏の祈りというものに心を打たれた気がする。そして、こういう展示をJR東日本が運営するミュージアムで開催されたということの意味を強く考える。

名称:十二月大歌舞伎第二部(爪王・俵星玄蕃)&第三部(猩々・天守物語)
場所:歌舞伎座
入場料:3階A席¥0+3階A席¥5500(¥0は後述)
期間:2023/12/03〜12/26
見学日:2023/12/17
図録:筋書・購入・¥1300

もともとは第三部のみの予定。故に、東京ステーションギャラリーのみちのくいとしい仏たち展を見ていたのだが、その最中に入電。第三部で同行する友人が、第二部のチケットを譲ってくれた(友人は一階席へ移動)ので、急遽第二部も鑑賞することに。縁に感謝。本当に感謝。

戸川幸夫原作、平岩弓枝脚本の爪王。よくこれを舞踊劇にしたなぁ!という感想。でも良かった。鷹役の七之助、狐役の勘九郎。それぞれにいい。
そもそも戸川幸夫の作品をどのように舞台化するのか若干の不安があったのだが、これは本当に素晴らしい作品だった。それにしても平岩弓枝は戸川幸夫の弟子だったのね。畑違いのようにも感じるけどなぁ。

俵星玄蕃。赤穂義士外伝のひとつ。講談か歌謡曲で知ったのかは不明。玄蕃役の松緑が良い。ああいう剛毅な役が似合うのね、松緑。そして杉野十平次の板東亀蔵もよし。誠実な蕎麦屋も忠義に燃える武士の姿も。
松緑。同行した友人の推しなのだが、ああいうタイプが好きなのか!とちょっと理解できたように思う部分もw。いや、これは秘す。

立ち回りでは多少息の合わぬシーンもあったように見受けられたが、それでもうまく帳尻は合わせたのではないか。

とりあえず、いい酒と蒲鉾をさいの目に切ってわさび醤油を添えた物が欲しくなったよ。
つか、俵星玄場をちゃんと味わっておきたいとも思ったかな。

続けて第三部。猩々と天守物語。先だってシネマ歌舞伎で見た天守物語を生で。玉三郎が主役ではなく(七之助が主役)、妹分役で出演するという配役。それだけでもう。

この妹分役の玉三郎がなんともかわいいのよ。シネマ歌舞伎で主役を演じたときとは全く違うキャラを易々と。まったくモンスターだわね。そして、七之助は玉三郎の演じたそれを一生懸命勉強したんだね!という感じ。自分の色が出るのはまだまだ先かもしれないが、これからが楽しみなのではないだろうか(偉そうな物言いだな、俺)。

どうしてもシネマ歌舞伎との比較にはなるが、姫川図書之助役は結構難しい役なのかもしれない。
また、勘九郎の舌長姥と桃六は全く違う二役を演じるのも素晴らしい。あれだけキャラ立ちする二役を易々と。すげえな。

気になる役者のひとりである片岡亀蔵の小田原修理も良かった。片岡亀蔵、ホントいいのよ。ちょっとした小悪党役がにあう役者。いい味を今回も。

朱の盤坊の獅童は、一部(初音ミクと共演というもの)で結構疲れているのではないかな。声が若干お辛そうであった。とはいえ、獅童らしい大きな演技でよかったと思った。

舞踊劇、猩々。ストーリーらしきものはあるが、それよりも舞踊なのだろうな。この作品だけはイヤホンガイドを利用した方がよかったように思う。

二部と三部を続けてみるというのも結構体力がいるよね…とも思わされた。ちょっと疲れたな。まあ、観劇の喜びの方が大きいのだが。

スカグリでの感想戦が盛りあがり過ぎて、鎌倉のヒグラシ文庫へ(二部三部で疲れたのではなかったか。まあ、感想戦の楽しさは格別なのである)。鎌倉店は久しぶり。カオマンガイ、レバペ、ポテサラにレモンサワー。終電までの長っ尻。慌てて帰るハメに。結局午前様。いい夜だった。感謝。

名称:おもしろ同人誌バザール​大崎14
場所:大崎コミックシェルター@JR・りんかい線「大崎」駅南口改札前自由通路​「夢さん橋」
入場料:無料
期間:2023/12/30
見学日:2023/12/30
図録:なし

 

コミケ同日開催のこちらへ。コミケに行く気はないが、こちらはしっかり抑えておきたい。
目当ての本は買えたかな。ひとつだけ(アクキー目当てなのだが)逃したのが残念。訪れた時間では、まだ出店準備ができていなかったようだった。

こういうイベントは目当てだけではなく、当日のノリというか、勢いというのも大事なんだよな。とはいえ、今回は事前情報にあたれなくて、見当をつけるのに難儀した。

まあ、それでもいいところを押さえたのではないか。あとはこちらの予算の問題である。

 

Copyright ©2006-2024 猫綱 (Nekotuna) All rights reserved.